パンチクリスマス
みなさーん!メリークリスマス!
そして、キリストさん、2000何回目だかのお誕生日おめでとうございます!
さて、前回の話の続きもまだ書き切ってないというのに、今日は番外編ということで、わたくしたかゆきが、昨夜のイブをどのように過ごしたのかというのを紹介させていただきたいと思います。
やっぱり、クリスマスの事はクリスマスのうちに書いておきたいからね。
みなさんどうぞ、お付き合いのほどよろしくお願いします。
まず大前提として、今現在僕には彼女と呼ばれる生き物(霊長類ヒト科の雌)は存在しません。
だから、今年のクリスマス・イブは日曜日だということもあり、寂しさをまぎらわすために仕事に向かうというわけにもいかず、必然的に家でM-1でも見ながらひとりロンリーチャップリンになるはずだったんです。
しかし10日ほど前に突然、イブの日の仕事の依頼が入りました。
あるクリスマスパーティーにお呼ばれしまして、そこで演奏するというお仕事の依頼です。
こう書くと、みなさん、なんだか喜ばしいことのように思われるかもしれませんが、正直こういう類いの仕事は、僕にとってはあまり嬉しいことではないんです。
なんだかんだいって、長年こういった形で路上演奏を続けていると、年末年始の忘年会・新年会や各種会社のパーティー、その他あらゆる会という「会」での出張演奏の依頼を頻繁に受けます。
まあこれは、ありがたい話といえばありがたい話なんですが、ここ数年僕はよっぽどのこと(あまりにも熱心に何度にもわたってお願いされたりする場合や、ギャラがかなりの高額である場合(笑)など)が無い限り、生意気かもしれませんが、ほぼお断りさせてもらっています。
その理由は、長くなりそうなのでまた別の機会があれば書くことにしますが、しかしとにかく今回の依頼は、僕がそれを断れるような依頼主じゃなかったんです。
まず、その人との出会いからお話しします。
(ああ、やっぱり今日もすごく長くなりそうな予感…。苦笑)
僕は基本的に、ギャンブルがあまり好きじゃない。
パチンコもスロットもマージャンも全くしないし、それらに興味もない。
けど、1つだけ例外がある。
それは、「競馬」だ。
僕は競馬が大好きなのである。
もちろん競馬もギャンブルなんだけど、レース予想や血統、馬やそれにまつわる人達がおりなす様々なドラマやロマンなどなど…。
それらを全部ひっくるめて、「競馬」というものが大好きなのだ。
競馬について語りだすと、もう1つ別のブログができてしまうほどの勢いなんで、ここでは多くは語らないけれど、とにかく、コリ性の僕は、競馬については相当な知識があるのである。
2年ほど前、そんな僕の前に仕事中、競馬界の中ではすごい有名なある馬主の方がお付きの人と共に通られた。
この方は、年齢はおそらく50代後半くらいだけどどっしりとした体格で、顔は岩石みたいな輪郭で強面、髪の毛がまた特徴的で、短いんだけどチリチリで天然パンチパーマがかかったみたいになっていて、全体的な見た目は正直ヤ○ザの親分のような風格がある人である。
そしてみなさんご存知の通り、馬主っていうのはお金持ちの方が多いんだけど、特にこの方はその中でもケタが違って、自身が大会社の代表取締役でありながら、馬主としても北海道に大きな大きな牧場を所有し、それをも会社化し、自分の馬専用の調教場をつくってしまうような、ものすごい規模のお金持ちなのである。
なんといっても、僕が歌っている場所は、高級飲み屋街。
時には、こういう方も僕が歌っている前を通り過ぎるわけだ。
熱烈な競馬ファンの僕は、すぐにその方に気づき、嬉しくなって、(パンチパーマが)ちょっと恐かったが、つい声をかけた。
「あの、すいません、Mさん(実際はフルネーム)ですよね!」
「ん!?」
Mさんはビクッと足を止め、驚きの表情で僕を見つめる。
そりゃそうだ。
いくらMさんが有名だといっても、それはごく限られた世界での事。
一般人から、街で顔を見て、フルネームで呼び止められるなんて経験は皆無に等しいだろう。
それも、街のストリートシンガーから名前を呼ばれるなんて…。
Mさん、不可解な顔で僕に尋ねる。
「何で、俺の名前知ってるんや。」 ←見た目通りのダミ声
「いや、僕、競馬大好きなんです。
だから、お顔見て、すぐにMさんだって分かったんで、嬉しくて声をかけてしまいました。」
Mさんの顔色が一瞬でほころぶ。
「おお、そうか!君は競馬好きか!
しかし、よく顔見ただけで俺の名前が分かったな。
こんなこと初めてや。」
「だって、Mさん、有名ですもん。」 ←完全にこびてる
「そうか、俺は有名か!わーはっはっは!」 ←上機嫌
そう言うとMさんは、突然秘書と思われるお付きの人に財布を要求して、一万円札をギターケースに入れてくださった。
え?
わお。
すげー。
けど僕、まだ歌も何も歌ってないよ…。
ただ、名前呼んで、有名やってほめただけよ…。
これ、何のお金…?
おこづかい?
やっぱりあなた、すごい金銭感覚なのね…。
「あ、ありがとうございます。
けど、僕、ちゃんと歌を歌います。
何かお好きな歌、ないですか?」
「あ、そうやな。
じゃあせっかくやから、一曲歌ってもらうか。
そんなら、『乾杯』歌ってくれ。
俺、あの歌好きやねん。」
「はい、分かりました。
『乾杯』ですね。」
そう言って僕は、「乾杯」を一曲歌ったんだけど、思いのほか、Mさんがこれを気に入ってくださり、この後僕は絶賛を浴びることになる。
それがだいたい2年ほど前の話。
それからというもの、僕はMさんにほんとに気に入ってもらえたたようで、そんなに頻繁にではないが、たまーに僕の前を通るたびに「乾杯」をリクエストしてもらい、そのたびに毎回一万円という大金をいただくようになったのである。
すごい常連客が出来たもんだ。
初めのうちは、その程度にしか考えていなかった。
Mさんは、一緒に歩かれているお連れの方も毎回様々だ。
大抵秘書らしき人は毎回付いているのだが、大人数の時もあれば、高級クラブのママさんとだけの時もあれば、某有名騎手や、時にはどういうつながりか有名なボクシングの元世界チャンピョンを連れて来られる時もある。
けれども、どんなお連れの方に対しても、Mさんの話す言葉は同じ。
歌っている僕を指さして、ニコニコ顔で、
「な、こいつ、めっちゃうまいやろ。」
この一言である。
しかし、どうもいつも、お連れの方は、僕から冷静に見ていると、形式で相づちをうっているだけで、そんなにすごいうまいとは思っていない感じが見て取れる。
どうやら僕の歌は、Mさんのハートだけを、がっちり掴んでいるようなのだ。
まあそれも、決して悪いことではない。
とにかく、それから1年くらいの間は、Mさんが通られるたびに、正直やらしい話、(仕事上の儲けとして)「今日はラッキー!」程度に考えていたのである。
けど、出会って1年ぐらいたったあたりから、少しずつ僕のMさんに対する印象が変わってきた。
悪い方向に、悪い方向に…。
それはどういうところかというと、
もちろん初めから、全く立場や地位の違う2人だから、上下関係があるのは当たり前といえば当たり前だったんだが、その上下関係が段々少しずつ、強制的なものに変化してきたというところである。
まあ、分かりやすく簡単に言わせてもらうと、とにかく「怖い」のである!(笑)
例えば、Mさんが通られた時に、(この仕事は愛想が命なので)僕がにっこりと笑顔で
「こんばんは♪」
と軽めの挨拶をすると、すぐものすごい怖い顔になって、
「お前は挨拶の仕方がなってない!
なんや、『こんばんは♪』っていうのは!
俺が通った時は、もっと俺を敬った挨拶をせえ!」
と、怒られたり、
別の時は、僕はいつも花壇のようなところの端に座って歌っているんだけど、いくらちゃんと挨拶しても、
「おい、こら!
お前は目上の人に挨拶する時、座ったまま挨拶するんか!
失礼やろ!
ちゃんと立ち上がって、お辞儀せんかい!」
と、怒られたり。
まあ、その他いろいろ…。
あのー、僕、一応ただのストリートミュージシャンなんですけど…。
ヤ○ザの子分とかじゃないんですけど…。
しかしこの不安は、あながち間違ってはいなかった…。
今から10日ほど前。
この日も、パンチ(パーマ)さん(僕が最近心の中でつけた、Mさんのあだ名)御一行が、僕の「乾杯」を聴いてくれていた。
その途中、たまたま酔っ払ったサラリーマンがひとり、「ひさしぶり」っていう感じで、僕の頭を軽く叩いた。
まあ、あまりいい気はしないが、この仕事をする上で、よくある風景といえばよくある風景だ。
しかし、その時、パンチさんの表情が一変した。
「こらあ、おのれ!!
お前、何、俺の舎弟の頭叩いとるんじゃ!!!
蹴り殺すぞ!!」
こ、こわ~…。
け、蹴り殺すって…。
ただでさえ、殺されるの怖いのに、蹴って殺されるねんで…。
なかなか人は蹴られただけでは死なんよー。
たぶん、よっぽど蹴られるねんで…。
きっと、長渕キックやで…。
ただ頭軽く叩いただけやのに…。
そして、なによりも…
「舎弟」って!!!
やっぱりこの人、俺の事、ほんとにヤ○ザの子分か何かと思ってるんや…。
嫌やわー。
怖いわー。
オイラ、そんな世界に関わりたくない!!
そして、ひとしきり怒鳴りつくしたパンチさんは、SPみたいな人達に目で何かを指図した。
すると、サっと3人のSPらしき人が僕と僕を叩いたサラリーマンの間に立って、そのサラリーマンを取り囲む。
すげー敏速。
そして、すごい光景…。
パンチさん
「おのれ、次、俺の舎弟の頭叩いたら承知せんぞ!!」
そして、そのサラリーマンは絵に描いたような後ずさりで、その場を去っていった…。
うわー、なんかB級のやくざ映画観てるみたいやなあ…。
パンチ佐藤さん
「(僕に対して)おい、ところでお前、名前は何て言うねん。」
僕
「あ、たかゆき(ホントは苗字を言いました)といいます。」
パンチョ伊藤さん
「おい、たかゆき。
お前も、俺の舎弟やねんから、これからはあんなサラリーマンに頭叩かせるな。
分かったか!」
どうやらパンチさん、自分で発した「舎弟」という響きを気に入ってしまったみたいだ…。
「は、はい…。」
パンチさん、満足げ。
「あっ、そうや!ところで、たかゆき。
お前、今月の24日は何をしとんねん。」
ん?24日?
今月の24日といえば、クリスマス・イブではないか。
はぁ…。
ああ、もちろんロンリーチャップリンですよ。
何か文句でも?(笑)
「いや、たぶん何もしてません。はは。」
僕は頭をかきながら、照れ笑いで答える。
「そうか!じゃあ、24日はウチでクリスマスホームパーティーがあるから、お前そこで歌え。」
え?
そこで歌え?
いやいや。
いやでっせ。
そんなところで歌うくらいやったら、家でひとりでおった方がよっぽどマシや。
あ、けど、待てよ…。
俺、今、何も考えずに「24日は何もしてません」って答えてしもたよな…。
やってもた…。(涙)
「よし、決まりや!
24日は一日空けとけ。
お前もヒマなんやったら、ちょうどええやろ。
それまでに、クリスマスソングも練習しとけ。
そんで、俺の10歳の息子がギター弾いてて、今ギターに興味持っとるから、お前がいろいろ教えたってくれや。な。
その日はイタリア料理のコック達も呼んでるから。な。
お前も楽しみやろ。な。」
パンチさん、我ながらいい事を思いついたという満面の笑みである…。
こうなってしまったら、今さら、もう断れる相手ではない。
僕の負けだ。
「は、はい。じゃあ、こちらこそ、よろしくお願いいたします…。」
というわけで、すべては決定してしまい、僕達は携帯の番号を交換し、当日までに連絡を取り合うことになった。
はぁ、憂鬱やなあ。
できることなら、もうパンチさんにはこれ以上あんまり深入りしたくないって思ってたところやのに…。
やっぱり、住む世界が違いすぎるで…。
そして、その日から昨日まで、一日おきに何度も同じ内容の電話が僕の携帯にかかってくることになる…。
「おい、たかゆきか!
お前、24日分かっとるやろな!
もし約束破ったら、承知せんぞ!!」
・・・・・・・・。
しょ、承知せんぞって…。(苦笑)
それにこれ、何度目の電話…?
毎回毎回、承知せん、承知せんって…。
あれ?子供の頃に習ったけど、「パーティー」っていうのは、楽しいもんじゃなかったっけ?
僕は、その楽しい場所に「招待」されてるんだよね…。
合ってるよね…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ああー、やっぱり嫌やーー!!
行きたくねーー!!(笑)
つづく…。
P.S.
ああ、急いで書いたから、何て粗い文章…。
それに、結局これだけの量書いて、昨日の出来事はまだ何ひとつ書けなかった…。
いつもながら、俺って…。(苦笑)
そして、また「つづく。」って…。
この前の話の続きもまだ書いてないのに…。(笑)
とにかく、このクリスマスのお話は、なるべく急いで書きますからね!
クリスマス熱が冷めないうちに!
おー!
あ、前回のコメントのお返事も、もう少し待っていてくださいね。
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