パンチクリスマス・3
最近、どうも更新がチグハグになってしまっていて、どうもすいません。
みなさんのクリスマス熱はもう冷めちゃったかもしれないけど、とにかく今年が終わる寸前までには、なんとかこの話を書き終えるぞー!
おー!
というわけで、
パンチクリスマス・2の続き…
僕は、ドンキーコングに言われるがまま、デミオちゃんをそのホテルのような大豪邸の駐車場に停めた。
僕の車の隣には、「RIHGA ROYAL HOTEL(リーガロイヤルホテル)」と書かれたトラックが2台並んでいる。
ほう。
もしかして、言っていたコックさんというのは、かの名高いリーガロイヤルホテルのコックさんのことなんだろうか。
もしそうなら、凄すぎる。
しかもトラック2台って…。
調理器具まで全部持ち込み?
ハハハ…。
もう、笑うしかない。
けどそういえば、その料理を今から僕も食べれるんだっけ?
ハハハ…。
もう、笑いしかない。
は、はやく食べたい…。
ゴクリ…。
お屋敷の中も、ここまでくるとやはり、想像以上の凄さだった。
やたらと広い玄関ホールには、高い天井から見たこともないような豪華な巨大シャンデリアが吊り下げられてあるし、そこから見渡すだけでも、「部屋がいくつあんねん。ここは迷路かい!」と思うぐらいの大御殿。
車から弾き語り機材を運ぶのをドンキーコングに手伝ってもらった僕は、まずリビングに案内された。
50畳くらいはあるだろうか、天井の高い洋間のリビングには真ん中の壁に大きな大きな本物の暖炉が設置されてあり、実際に薪をくべて燃やしてある。
もちろん、本物の暖炉を使用している家など、「世界名作劇場」のアニメの中ぐらいでしか見たことはないけれども、実物は思ってた以上に暖かいものである。
っていうか、ちょっと暑い…。(笑)
部屋の片側半分の壁は、ほぼ全面が大きなガラス張りになっていて、暗くて分かりにくいが、外の庭には二羽ニワトリがいる。
あ、違う。(笑)
外の庭には、うっすらとプールらしきものも見える。
そんなリビングに、パンチさんはいた。
「おう、たかゆき!やっと来たか。
どや、この家スゴイやろ。」
「は、はい…。
すごいというか何というか、僕の想像できる範囲をはるかに超えているんで、何ともぼうぜんとするだけです…。」
「そうか、そうか。ハッハッハ。」
「ずっとここに住まれてるんですか?」
「ちゃう、ちゃう。
ここには住んでへん。
ここは俺の別荘でな、いわば『ゲストハウス』っていうやつや。
こんな別荘が他にも3個あるねんけど、住んでる家はまた別や。」
べ、べ、べ、べ、別荘!!??
この大豪邸が!?
しかも、他に3個って…。
あなたは、一体どこへ向かっているの?(苦笑)
「そ、そうなんですか…。」
僕達がそんな会話をしている間、実はさっきから忙しそうに、「リーガロイヤルホテル」のバッチを胸につけた黒服のボーイさん達が何人も部屋を出たり入ったりして、パーティーの準備をされている。
どうやら、ロイヤルホテル総動員みたいである…。
そんなんやったら、わざわざ呼んだらんでも、初めからロイヤルホテルでパーティーしたらいいのに…。
いや、言うまい、言うまい。(笑)
そして、パンチさんはリビングのワンコーナーを指差し、僕にこう言った。
「たかゆき、今日お前、そこで歌え。な。
だから、今から準備せえ。
そんで、準備が終わったら、飯食っていけ。
それから、歌え。な。」
ほうほう、なるほど。
じゃあその準備が終われば、いよいよ待望の夕食タイムというわけですな。
それを想像すると、自然と僕の返事も軽やかになる。
「はい!分かりました!
すぐに準備します!」
ぐふふ。
高級イタリア料理…。
僕が、言われた通り、機材や音響のセッティングをしていると、突然部屋に10人近くの子供達が入ってきた。
5歳ぐらいの小さい子から10歳ぐらいの大きい子まで年齢はバラバラで、男の子も女の子もいる。
そうか、そうか、なるほどね。
今日はほんまにホームパーティーって感じなんやね。
子供達は、この部屋にいる明らかに場違いな30歳のおっさんに気づき、それぞれがいろんなリアクションをとる。
「こんにちはー!」と大きな声で挨拶し、気軽に話しかけてくる子。
「あんた、誰?」と、この世で一番シンプルで一番的を得た質問を投げかけてくる子。
「わー、ギターや!ギターや!」と大はしゃぎし、意味不明な踊りを披露してくれる子。
人見知りして、ちょっと遠くから僕を眺めている子。
などなど。
そんな子供達に、パンチさんは注意をうながす。
「こら、お前達、パーティーはまだやぞ!
おとなしくしときや。な。
そんで、あんまり歌の先生の準備のジャマしたらあかんぞ。な。」
そんな中、メガネをかけた一人の男の子だけが、さっきから僕のギターやアンプなどの機材をじーっと興味深そうに真剣に見つめているので、準備をしながらも、こちらから話しかけた。
どうやらこの子が、パンチさんの言ってた、ギターを弾く息子さんのようだ。
いかにもお金持ちの子といったような、賢そうな顔つきをしている。
彼の名は「コウキ君」、10歳。
9歳からギターを始めて、今練習してるのは、クラシックやらビートルズらしい。
10歳でクラシックやビートルズとは、いやはやなかなかのセレブっぷりだ。
でも、僕も負けてない。
僕の10歳の頃といったら、10円玉をひとつだけ握りしめて、今日はうまい棒「めんたい味」を買うか、それとも明日まで我慢してもう10円足して「どんどん焼き」を買うかという事を、駄菓子屋の前で延々2時間悩んでいた、というような素晴らしいセレブっぷりだったんだから…。
チキショー!(笑)
「そんで、ここにおる他の子達は、みんなコウキ君の友達なん?」
「いや、みんな、ママのお友達の子供です。」
「へえ、そうなんや。
じゃあ今日は、家族ごとみんな招待されてるわけやねんな。
ふーん。」
そんな時、パンチさんが僕らの会話に入ってくる。
「コウキ!どうや、すごいやろ!
このギターの先生、パパの友達や。
お前も後で、ギター教えてもらえ。な。
楽しみやろ!」
「え?
あ、うん…。」
「そうやな。
じゃあ、コウキ君、後で一緒にギター弾こうな。」
「あ、うん…。」
あ、あれ?
コ、コウキ君…?
それは、あんまり楽しみじゃないのね…。
でも、嘘でももうちょっと嬉しそうな返事しようね…。(苦笑)
とにかく、そうこうしているうちに僕の準備は終わり、それをパンチさんに告げた。
「おう、終わったか!
じゃあ、お前、飯食ってこい。
そんで、パーティーは7時からやから、それから歌え。な。」
うんうん。
この同じような説明、今日だけでもう300万回以上聞いたけど、それでもいいじゃないの。
だって、今からついに、今日僕はこのためだけに来たといっても過言でないくらいの、待望のスペシャルディナータイムが始まるわけなんだから…。
さあさあ、それで僕はどこで食べればいいのですかい。
「そんなら、たかゆき。
今から、K(ドンキーコング)に案内さすから、ついていけ。」
「はい、分かりました!」
僕は言われるがまま、ドンキーコングに連れられて、リビングルームを後にした。
なるほど。僕は、パーティーに参加する皆さんと一緒にお食事をするわけじゃなくて、みなさんより一足お先に別室で噂の高級イタリアンを頂けるわけやね。
みなさん、僕だけお先に、何だかすいませんなあ。
なにしろ、僕はみなさんがお食事されてる間、歌を歌わなくちゃいけないもんで、今のうちにお腹を満たしておかなければならないんですよねえ。
どうも、どうも。
えへへ。
そんな想像がふくらむ中、お腹ペコペコの僕はニヤケ顔のまま迷路のような廊下を抜けて、ドンキーコングに、あるドアの前まで案内された。
「じゃあ、こちらのお部屋にお食事の方用意させてもらってますんで、パーティーが始まる7時までゆっくりされていてください。」
「はい、わざわざありがとうございます。」
ドンキーはことづけを言うと、その場から立ち去っていった。
この時ばかりは、なんだかドンキーがすごく良い人に見えた。
ドンキーありがとう。
僕、ドンキーの事、なんだか勘違いしてたよ。
ドンキーがわざわざ僕のために、この部屋に先にディナーを用意しておいてくれたんだよね。
ほんとは、良い人なんだね。
けど、なんだよー、水臭いなあー。
ドンキーも一緒に食べていけばいいのに。
ふふふ。
僕はノブに手をかけ、ドアを開ける。
ここからはもうスローモーション。
ドアの向こうは夢の世界。
さすが、パンチ。
これまた20畳ほどある素敵な洋間には、大きなマホガニー製のテーブルの上にならべられた、ロイヤルホテルトップシェフ達が作った豪華な豪華なイタリア料理の数々。
若いお手伝いさんのような女性が、僕をイスに座らせてくれて、紙エプロンをかけてくれる…。
・・・・・・・なんて、ほんとに夢のような事は、まったく無く!
現実は、ドアの向こうには、たった3畳ほどしかないただの和室…。
うっそ~ん!!!
そして、
せまっ!!!!
この大豪邸に、そんな3畳しかない部屋が存在すること自体が、逆にビックリやわ。
たぶん、お手伝いさんか何かの休憩室か更衣室かなんやろね。
これ、俺に対する、何かの嫌がらせ?
それとも、ドッキリ?
隠しカメラでも仕掛けられてんの?
まあ、もうええ、もうええ、もうええわ。
部屋がどんな部屋であれ、俺、もうお腹ペコペコやから、その高級イタリア料理のおこぼれでも何でもいいから、早く食わせてくれ。
というせめてもの願いをあざ笑うかのように、3畳の和室に設置された緑色のパイプ机の上にぶっきらぼうに置かれたてのは、「おーい、お茶」の250mmの缶々と、何かの紙弁当…。
その名も
「おこわ弁当」
終わり。
P.S.
みなさん、「え?そんなところで終わり?」と思われる方も多いでしょうが、僕は長々と3回にも分けてこの日の事を書いてきて、とにかくこの事を伝えたかっただけなんです。
恋人達が集う聖なるクリスマス・イブの夜に、ひとりで食べる「おこわ弁当」
ウソです。
白状します。
ほんとは、どうしてもこの日の事は、年内中に書き上げたかったんです。
だって、クリスマスの話を正月明けてからなんて、書きたくないもん。
けど、もうギブアップです。
時間が足りません。
まあ、いってもこの後、そんなに大した事が起こったわけでもないので、何とか許してください。
えっと、要約すると、(笑)
7時に大人のみなさんも集まって、パーティーが始まったんだけど(もちろん彼らは、「イベリコ豚」やら見たこともないようなパスタやらの豪華料理を食べてました。さらに、平気で残しやがる…。)、パンチさんが僕を紹介する時に、
「こいつ、俺の舎弟です。」
って言ってしまって、その瞬間会場が静まりかえり、その後、大人たちは子供達から、
「ねえ、舎弟ってなあに?」
っていう質問を受けまくってたこととか、
(もちろん僕は、心の中で、「あのね、舎弟っていうのはね、こういう、君達がイベリコ豚を食べるような豪華なパーティーで、『おこわ弁当』しか食べさせてもらえない人のことを言うんだよ。」って繰り返してましたけどね。)
ドンキーがなぜか、床に置いていた僕のギター(マルシアちゃん)の上に不注意で(?)フォークを落とし、フォークがギターに刺さったこととか、
帰り際に、外まで見送りにきてくれた何人かの前で、コウキ君が、僕の乗ってきたデミオちゃんを指さして、
「これって、何のベンツ?
あ、間違えた!
何の車?」
という、何とも大人顔負けのブラックジョークを言ってきたこと、
ぐらいですかね。(笑)
えっと、まあ演奏自体はみなさん喜んでくださいましたよ。
いっても、パンチさんお気に入りの「乾杯」は4回も歌わされましたけどね…。(苦笑)
とにかく、そんな今年のクリスマス・イブでした。←強引!
ああ、2006年ももう後何分かで終わってしまう。
こんな僕のブログをいつも読んでくださってるみなさん、今年はほんとにありがとうございました。
みなさんのおかげで、僕なんだか、いろいろと救われてるんです。
ほんとに心から感謝しています。
やりとりはしてないけれどいつも読んでくださっている方々や、初めてこのブログを読まれた方も、ほんとにありがとうございます。
みんな、大好きです!
まあ、つもる話はまた来年するとして、とにかく、みなさん、良いお年を!!
来年も変わらず仲良くしてやってくださいね!!!
では、また来年!!!!
2006年12月31日 たかゆき
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