続き…
(今度こそ、一気に書き上げようと思って頑張ったら、とてつもなく長い文章になってしまいました。でも、なるべく頑張って最後まで読んでほしいです。)
それから、2週間、僕は仕事を休んだ。
もちろん、お巡りさんに言われたとおり、あのおっさんに会わなくするためでもあるが、それ以上に、いろいろ考える時間が欲しかったのである。
すごく苦しくて長い2週間だった。
僕は、考え続けた。
ずっと変わらないと、当たり前のように思っていたことが、こんなに簡単に崩れてしまうなんて。
長く安定してやってこれたせいで、始めたばっかりの頃のあの緊張感が、だんだん薄れてきて、傲慢になっていた部分が、少なからずあるんだろう。
忘れてはいけなかったのだ。
僕の仕事は、綱渡りのようなもので、常に危険と隣り合わせで、いつでも緊張感を持って、細心の注意を払い続けなければいけないのだ、ということを。
ちょっと風が吹いただけで、足場は大きく揺れるのである。
大げさに聞こえるかもしれないが、僕は、ただ街で歌っているだけではないのだ。
夜の歓楽街で歌を歌って、しかもそれで、1年間を通して、毎日のように安定して生活費を稼ぎつづけなければいけないのだ。
これは、やはり普通のことではない。
常に、頭を働かして、なにかしらの緊張感をもっていないと、続けれるわけがない。
今回の一件は、最近この仕事に対して、甘えてた自分への罰であり、起こるべくして起こった事件なのかもしれない。
そうとまで考えていた。
ただ、だからといって、もちろん、現実をすべて受け入れれるわけじゃない!
あんな、しょっーもないおっさんのせいで、仕事を失うなんて、まっぴらごめんだ!
プーじゃ、プー。
やめ時は、自分の意思で決めるんじゃ!
おっさんに決められてたまるか!
そうだ、そうだー!たかゆき行け、行けー!
それに、今やめたところで、あまりにも突然すぎて、これからの人生設計なんて、まだ何にも決まってないし、決める気もさらさらない。
うん、うん。
よし、いっちょ最後まであがいてやるか。
よく考えたら、お巡りさんも言ってくれたように、すぐに強制的にやめさせられるわけじゃないみたいだし。
うん、やれるとこまでやってみよう。
考えるのは、それからだ。
わーい、わーい。よく言ったぞ、たかゆき!
しっかし、あのおっさん、マンガみたいなおっさんやったなあ。
いや、マンガにもあんなひどいおっさん出てこーへんで。
よう、あんなんで、今まで生きてこれたなあ。
いっつも一人やし、たぶん友達も全くおらんねんやろなあ。
あー、あいつの部下も大変なんやろなあ。
しかし、まあ、あのおっさんの執念は、どっから来てんねんやろ。
ある意味すごいよな。
何がどーなったら、人に対して、あんな汚い言葉を吐けるねんやろ。
そんで、あんだけ偉そうなことばっかり言っといて、実際行動に移せることっていったら、交番に通報するってことしかできてないもんなあ。
俺の人生めちゃくちゃにしたるって、あんだけ意気込んでも、結局できることっていったら、お巡りさんに言いつけるだけって…。
プププ…。しょぼー。情けなー。子供か。
結局、自分ひとりの力じゃ、何にもできへんねんやんけ。
俺を、殴るわけでもなし。
口ばっかりのおっさんなんやで。
・・・・・・・・・・・・。
と、その口ばっかりのおっさんに、実際俺は、こんだけ悩まされてるわけやけど…。
やっぱ俺も、殴られるより、実際、警察に通報されるほうが、よっぽど痛いし…。
俺も、仕事続ける以上、おっさん殴ることすらできへんわけやし…。
結局、俺は、そんなおっさんにすら勝たれへんわけや…。
やっぱり、すごい弱い立場やねんな、俺…。
どうなんねんやろ、これから…。
不安やなあ…。
苦しいなあ…。
と、まあ、読んでいただいたら分かる通り、この2週間、僕は、精神分裂みたいに、突然強気になったり、突然どん底に落ちたりを延々と繰り返してたわけです。
ああ、2週間長かった…。
けど、ひとつだけ決まったことがあります。
それは、さっきも言ったように、最後まであがく、やれるとこまでやってみる、ということです。
そういうことになりました。
僕は、また仕事に出るようになった。
仕事をはじめて4日後くらいで、おっさん登場。
ふう、やっぱ、来やがったか。
相変わらず、一人である。
いつものように、物凄い形相で、僕をにらみつける。
てゆうか、いつも以上の形相だ。
顔がまっかっかになっている。
けど、僕に話しかけることはなく、にらみつけたまま、交番に直行。
僕は、この前お巡りさんに言われた通り、急いで片づけをはじめる。
ただ、分かったことは、おっさんが通ってから、お巡りさんがくるまでのほんの3、4分じゃ、とってもじゃないけど、いっぱいある僕の弾き語り道具は、片付けれないということ。
今回は、お巡りさんだけじゃなく、おっさんがお巡りさんを引き連れて登場。
「ぐぉらーーー!!!!
警察は何をやっとんのじゃーーーーー!!!!!
この前、あんだけゆうたのに、まだこいつ、ここでやっとるやないかーーーーー!!!!!!
どーなっとるんやーーー!!!!
ええかげんにせえよ!!!!
早くやめさせんかいーーー!!!!」
お巡りさん
「けど、彼もあれからしばらく来てなかったみたいですよ。」
「そんなもん、知るかーーー!!!
今、現に、やっとるやないかーーー!!!」
僕は、まったくおっさんの顔を見ず、お巡りさんにだけ話しかける。
「あー、今片付けてますんで、すぐ帰ります。」
お巡りさん
「分かった。じゃあ、よろしくね。」
そして、お巡りさんは、渋い顔をしながらも、交番に戻っていった。
残されたおっさんと僕。
「お前、ほんま、俺をなめとるな。
なんで、まだやっとるんじゃ!!
やっぱり、この前のんは、うそ泣きやったんやないかい!
こいつー、人をばかにしやがってーーー!!
何とか言え!!!」
もう、このおっさんに何を言っても一緒なのは、前回の件で実証済みである。
僕は、全くおっさんの顔すら見ないまま、無表情で、一言も発さず、黙々と片付けを続ける。
おっさんは、そんな僕に対して、奇声をあげつづけている。
それでも無視…。
片付けが終わり、自転車に荷物をくくりつけ、とっとと帰る。
背後で、おっさんが叫んでる。
また、4日後ぐらい。
おっさん出現。
なんだか、おっさんの現れるペースが明らかに早まってきている…。
行動は、いつもと一緒。
書くのもめんどくさくなってきた。
ただ、今回、いつもとちょっと違うのは、どうやら、お巡りさんが交番にいないみたいっていうこと。
おっさん、交番の中に出たり入ったり、必死に窓をのぞきこんだりしている。
ちょっと、おもしろい。
お巡りさんがいないってことは、今日は仕事を続けてもいいのかもしれないけど、なんだかまためんどくさいことになりそうなので、前回と同じくおっさんを無視して、帰る。
そして、3日後ぐらい。
どうやらおっさんは、もう、僕を止めにくるためにだけ、ここに飲みに来てるようだ。
どんだけ、暇やねん。
ただ、お巡りさんも、そろそろ限界に近づいてきた感じだ。
いつもよりかなりきつめの儀式がひと通り行われ、いつものように残った、僕とおっさん。
今回、僕は、いつもとちょっと違う行動にでる。
無視は続けるけど、帰らないのだ。
全て道具は片付けた。
けど、帰らない。
座ったまま。
ちょっとした反抗期だ。
歌ってるわけじゃないから、警察に言いようもない。
おっさんはまた奇声をあげる。
「なんじゃ!!
ほんまに、こいつはなめくさりやがって!!
どうせ、俺が帰ったら、また始めようと思っとるんやろが!!!
このうそつきが!!!
俺は知ってんねんぞ!!
お前、いつも、俺が帰った後、ここに戻ってきて、また歌っとるやろ!!
俺が何も知らんと思ったら大間違いやぞ!!
○○には、俺の味方がいっぱいおんねん!!
そいつらが、言っとったんじゃ!!
おーーー!!?」
もちろん、そんな事実はまったくない。
どこまで、おおボラ吹きなんやろ。
もしかして、俺にカマかけてるつもりなんかなあ。
ああ、情けないおっさんや。
その情けないおっさんに止められている僕は、もっと情けないけど…。
「よし、そっちがその気なら、こっちもやったるぞ!!
お前が帰るまで、ずっと見張っといたるからな!」
と、おっさんからの宣戦布告を受け、結局この戦いは2時間以上続いた。
僕はその間、おっさんに背を向けたまま、ボーっとしたり、普通に友達と携帯でしゃべったりしていた。
これは、思ったよりかなり暇だった。
なかなか時間が進まない…。
ただ、待ってるおっさんは、もっと暇だろうということで、自分に言い聞かしてがんばっていた。
途中、常連さんが何人か通りかかり、「今日は歌ってないのか?」と聞いてくる。
僕は、小声で手短に事情を説明する。
僕は必死に止めるが、常連さんはおっさんに食って掛かる。
また、おなじみのおっさんの大罵倒ショーがはじまる。
案の定、常連さんもタジタジになる。
常連さん
「もう、こんなキ○チガイほっとき。
無視して、歌ったらええねん。
警察来たって関係ないやん。
歌ったらええねん。
ほっとき、ほっとき。」
そう言ってくださるのはありがたいが、そう簡単にいかないから、困ってるのである。
この後も、同じようなことが3,4回繰り返される。
そして、2時間ちょっとたったときに、おっさんの携帯が鳴る。
おっさん、急に猫なで声になる。
「あ、うん、うん、分かった。
じゃあ、今から飲みに行くな。
はい、はい。」
おっさん、バツがわるそうに、何も言わずに立ち去っていった。
ああ、勝った…。
だからなんなんだ、と言われるとちょっと困るが、これは、おっさんに対しての、ささやかな僕の悪あがきだったのだ。
別に、これで事態がどうなるわけでもないが、少しでもおっさんを困らせたかったのである。
この日は、ちょこっとだけ達成感を味わう。
と、まあ、ここまで、僕の精神的な部分については、あまりふれてこなかったのだが、実際のところは、仕事を再開させてからのこの何日間は、僕の精神状態、もうボロボロのズタズタ。
ほんと、やばいぐらいだったんです。
24時間ずーっと、おっさんの罵倒が頭から離れないし、これから先のことについての不安が物凄く胸をしめつけるし、毎晩悪夢にうなされるし、って感じで。
おっさんへの憎しみもハンパなもんじゃないし。
もう、息をするのが、やっとっていうくらい。
かといって、対処法も見つからない。
正直、あれから、いろんな友達に相談したりして、みんなでいろいろ考えてたんだけど、やっぱり、これといった答えが見つからなかったんです。
中には、おっさんを袋叩きにしてやろう、なんていう過激な意見もあったんだけど、いっても、おっさんがいつ現れるのかなんて分からないし、たとえ、もし袋叩きにできたとしても、だからって通報が終わるわけじゃあない。
たぶん、余計にひどくなるだけだ。
結局、警察っていう存在がある限り、この仕事に関しては、僕は何も動きようがないのだ。
はじめに、最後まであがく、やれるだけやってみる、って言ってはみたけども、そろそろ精神的に限界が近づいてきていた…。
(もちろん、収入的にも、激減なので、その面でもやばいのだが…。)
あくる日。
よく聞いてよ。次の日やで、次の日。
なんとかかんとか仕事場に向かうと、いつも歌っている場所の100メートルくらい手前で、最近の事情を知る顔見知りの客引きのおばちゃんに引き止められた。
「ちょっと、にいちゃん、行ったらあかん!
あのおっさんが、そこのカレー屋から、にいちゃんが来るの、ずっと見張ってるよ!」
えっ!?
ええええええ!?
ほんまかいな!?
言われた通り、そのカレー屋をそっとのぞいてみる。
・・・・・・・・・・。
ほんまにおる…。
この店は、1階がガラス張りなので、中の様子が見えるのだが、1階の出口に一番近いところに、ほんとにあのおっさんが座ってるのだ…。
ありえへん…。
どこまで必死やねん!
昨日の今日やで。
完全に気が狂ってる…。
ただ、おばちゃんに引き止められたおかげで、おっさん、まだ僕の存在には気づいてない。
ん?
これは使えるかも…。
いい事を思いついた!
このままおっさんの様子を、逆にこっちが、バレないように観察しつづけて、おっさんがあきらめてカレー屋から出てきた時に、そっと尾行するのだ。
僕は、この飲み屋街で働く友達の原付バイクの合鍵を、いつも持ち歩いてる。
これを使う時が来たのだ。
おっさんは、きっとタクシーに乗るだろうから、それをその原付で尾行するのだ。
おっさんの住んでいる所さえ分かれば、これからまた、新しい対処法が見つかる可能性が大きくでてくるではないか!
すげー!
チャンスや!
アドレナリンが一気に噴き出して、心臓がこれでもかというぐらいバクバク動き出す。
まず、その友達に急いで電話する。
彼は仕事中だったが電話に出てくれ、快く原付の使用許可を出してくれた。
恩に着ます。
僕は、その原付を自分の目の前まで移動させ、ヘルメットもあらかじめ出しておいた。
メットインのなかには、ヘルメットのほかにも、濃い色のサングラスが入ってあった。
これも、役に立ちそうだ。
次に、持ってきた弾き語り道具を、顔見知りの飲み屋さんに全部預ける。
よし、これで身軽だ。
さあ、準備は整った。
後は、おっさんが店から出てくるのを待つのみだ。
あー、ドキドキする…。
なんか、探偵になったみたいや。
けど、悠長なことは言ってられへん。
なんせ、僕の仕事の運命が、ここにかかってるんやからなあ。
5分後
どうやら、おっさん、カレーを頼んでたみたい。
そりゃ、カレー屋やもんな。
カレーが運ばれてくる。
食べ始める。
その間も、ちらちら後ろを振り返り、僕がいつも歌っている場所を確かめている。
15分後
カレーを食べ終わる。
もちろん、何度もうしろを振り返る。
30分後
明らかに、手持ちぶさたにしている。
しかし、後ろは振り返る。
45分後
突然、テーブルに突っ伏して、眠りだす。
待ち疲れてきたんだろう。
しかし、俺の事は、いいんだろうか。
音が聴こえたら、起きるつもりなんだろうか。
1時間後
まだ、寝てる…。
だんだん、イライラしてくる。
今すぐ店に入って、金属バットででも、思いっきりどつきまわしたい衝動にかられる。
店の店員は、おっさんが寝てることに対して、それほど気にしていない様子。
1時間半後
突然ムクっと起き出し、レジに向かう。
あっ、出てくる!
うーわ、いざこーなると、めちゃくちゃ緊張する…。
がんばれ、俺!
カレー屋を出たおっさんは、周りをきょろきょろしながらも、やはり予想通り、タクシー乗り場に向かった。
僕も、急いでヘルメットとサングラスを装着する。
エンジンをかける。
おっさんも、ちょうどタクシーに乗り込む。
さあ、出発だ!
尾行開始!
うわー、こんな本格的な尾行はじめてやー。
おっさんに、バックミラーでバレないように、適度に距離を保つ。
あかん、ほんま緊張する。
手のひら、汗でびっしょりや。
おっさんを乗せたタクシー、やたらチョコチョコ小道を曲がる。
そんな小道ばっかり行ったら、俺、バレてまうやんけ。
たぶん、運転手なりの近道を選んでるんだろう。
いらんことせんでええっちゅうねん。
それとも、このおっさん、案外家が近いのかもしれない。
ドキドキ。
とにかく、尾行をつづけること約10分。
しかし、この尾行劇は、ものすごいあっけない終わりを迎えてしまう。
ほんと、読んで下さっている方には、期待だけさせてしまって、大変申し訳ないです。
タクシーは高速道路の入り口に入っていってしまったのである…。
知っている方も多いとは思いますが、原付は高速道路を走る事ができないんです…。
ええええええ!!!!????
うっそーーーーん!?
ほんと、すいません。
けど、
これが、現実なんです…。
実話だからしかたがない…。
志半ばでの、尾行断念。
悔しすぎる…。
けど、よく考えたら、あのおっさん、高速乗らな来られへんような遠い場所から、わざわざいつも俺の邪魔をしにきとったんやなあ。
ある意味すげーな。
どんな金の無駄使いや…。
あー、けど、やっぱ悔しい。
めちゃくちゃ悔しい!
突然生まれたわずかな希望に、一気にすべての期待を注いでしまったから、その反動が大きすぎる。
あー、もーーーー!!!
結局、またふりだしに戻ってしまった…。
この後、結局おっさんは、毎日のように、僕の前に現れるようになった。
もう、警察も黙ってはいない。
最後通告を出された。
次、一回でも通報があったら、即検挙。
本気である。
この時点で、僕の負けが決まった…。
さあ、そうと決まったら、涙をふいて、前向きにものを考えるしかない。
もう、最善は尽くした。
できるだけのことは全てやったのだから。
さあ、どうする!俺!
しかし、案外、答えは簡単に出てしまった。
場所を変えてやればいいのだ。
なんて、単純で、明快な答え…。
なんで、こんなことが思いつかなかったのだろう。
おそらく今までは、「仕事場=今までの場所」という図式が、頭の中に出来上がってしまってたんだろう。
ただ、場所を変えるというのは、そんなに簡単なことではない。
ここの飲み屋街、かなり広いから、スペースはいくらでもある。
けど、スペースがいくらあっても、儲かる場所っていうのは、すごく限られるのだ。
この仕事で儲けようとするには、ほんといろんなファクターがかみ合わないといけない。
その中でも、場所選びっていうのは、一番重要なポイントなのである。
さらに、やはりここは飲み屋街。
いくら儲かるからといって、内部に入っていってしまうと、そこはもう、ヤ○クザさん達が管轄する場所。
とってもじゃないけど、勝手に商売なんぞ出来るところではないのだ。
となると、残された場所は、もう飲み屋街の外堀(出口など)しかないわけである。
僕が、今までやってきた場所は、ここの一番のメインストリートの出口付近である。
ここは、いろんな道が交差しているから、この飲み屋街の中では一番人通りが多かった。
もう、他にこんな一等地はない。
それに、今まで7年も8年も同じ場所でやってきて、常連さんも増えまくった状況にいた僕が、この歳になって、また新たな場所で、新しい常連さんをつくりながらいちから仕事を始めなおすっていうのは、聞いてる分には簡単そうに聞こえるかもしれないけど、実際は、物凄い気力と体力と精神力の必要なことなのである。
だから、今までは、無意識にその考えだけは避けてきたのかもしれない。
けど、今の僕は、そんな贅沢は言ってられない。
その日から、歯を食いしばって、ぐるぐると、外堀を歩いて探索してみた。
しかし、長年の経験からいって、ちゃんと儲けられそうな場所はほっとんど無かった。
ひとつだけ、まだ、ギリギリましそうな場所を見つけた。
なんだか薄暗いし、人通りも、今までの場所に比べると、そりゃあ天と地の差ぐらいあるけど、なんか、僕の仕事的第六感が反応するのである。
けど、ここは、周りにお店がならんでる。
どう考えても、マイクを使った僕の演奏じゃ、店の中まで音が聞こえてしまう。
次の日から、僕は、お茶菓子を持って、めぼしい店に挨拶にまわった。
まあ、この時や、この後の周りのお店との関係やトラブルは、機会があればまた詳しく話します。
とにかく、僕は、8年目?、9年目?にさしかかったところから、心機一転、この新しい場所でお仕事“弾き語り”を再スタートさせたのだ。
(この時期のお話も、また今度しますね。)
それが、だいたい一年前のことである。
もちろん、あれから、あのおっさんは一度も現れていない。
さあ、ここまで、こんなにも長々と4回にも分けて、思い出を振り返ってきたが、結局、何が一番言いたかったのかというと、実は、島田S助さんに初めて出会ったのは、この新しい場所でのことなのである。
もう一度言う。
島田S助さんに初めて出会ったのは、この新しい場所でのことなのである。
これが、何を意味するか。
みなさん、お分かりになるだろうか?
そう、
あのおっさんに出会ってなければ、僕は島田S助さんに出会うことはなかったのだ。
まだ、何にも詳しくは説明していないが、僕はおそらく、これから、S助さんとは長いお付き合いになっていくと信じている。
その大事な出会いのきっかけは、さかのぼれば、あのおっさんなのである。
ここで、僕のブログのタイトルを思い出してほしい。
僕は、今まで、いつもこの言葉に助けられてきました。
ノーレイン ノーレインボー
この言葉には、こんな意味がある。
雨が降るから、虹が出る。
美しい虹が出るのは、嫌な土砂降りの雨が降ったからなのだ。
つまり、つらい事や悲しい事があったからこそ、のちに素晴らしい幸せが待っているのだ。
ということ。
まさしく、今の僕が、ノーレイン ノーレインボー。
皆さんも、何か悲しいことやつらい事があった時、是非この言葉を思い出してみてください。
きっと、その悲しみは、いつか未来の幸せのための悲しみなんです。
そう思えれば、きっと、いくぶんも楽になれますよ。
さあ、合言葉は
ノーレイン ノーレインボー !
ん?なんか、宗教みたい?(笑)
おわり!
追伸
実は、新しい場所に変わってから、S助さんに出会ったこと以外にも、まだ他にも素晴らしい虹があるんです。
それもまた、おいおい話していこうと思います。
ほんと、こんな長い文章を、最後まで読んでくださってありがとうございました。
これからも、よろしくお願いします。
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