2008年12月 3日 (水)

おつかれさまの国

あのね、突然ですけど、みなさんには大好きなアーティスト(歌手)っていますか?

いやね、前回に引き続き、今回も「見るまえに跳べ」の続きではないんですけどね、どうしても昨晩の出来事を今日中に書いておきたくて、今僕は舞い上がっとるわけですよ。

急いで書くので文章がひっちゃかめっちゃかになって読みにくいかもしれませんが、とにかく「ああ、たかゆきは今舞い上がっとるんだな」と優しい目で見ていただけたらありがたいです。

 

えっと、それで何の話でしたっけ…?

ああ、そうそう、好きなアーティスト。

ちなみに、みなさんには大好きなアーティストっていますか?(2回目)

あーそうですか、いたりいなかったりですか。
(↑鼻くそほじりながら)

僕にはいるんですよ。

17,8歳で長○剛から卒業して、それからは洋楽邦楽問わずいろんな音楽を聴くようになったんですけど、その中でも特にハマったのが

斉藤和義さん。

19歳ぐらいの時に彼の「砂漠に赤い花」という曲を初めて聴いて衝撃を受けて、それからというもの僕はずっと彼を敬愛してきたんです。

もちろんライブにも数え切れないくらい行きましたし、当時はそこまで有名ではなかったので楽譜などは販売されていなかったんですけど、自分で耳コピして自分専用の楽譜集を作ったりして夜な夜な彼の歌を歌っていました。

あれから十数年。

さすがに今は昔ほどの没頭ぶりではないんですが、それでもアルバムが発売される度にいつも購入して繰り返し聴いていますし、

「一番好きな邦楽アーティストは?」って聞かれたら今でも迷わず、「大事MANブラザーズ・バンド」って答えてます。

うん、それが大事。

って違うか。(こんな事してるから、いつも前に進まへん…。苦笑)

とにかく、

僕にとって斉藤和義さんはいまだに一番憧れのカリスマアーティストなんです。

 

 

って、ここまでは理解してもらえました?

で、昨晩の話なんです。

あ、ちなみにこれ先言っておきますけど、斉藤さんに会って僕の歌を聴いてもらったとかいうそういうすごい話じゃないですからね。

ただ、僕の中だけで意味深い出来事が起きたという話なだけですからね。

あしからず。

 

 

 

昨晩深夜1時すぎ。

最近は世間的に不景気なこともあり、昨日はとにかく人通りが少なく暇な1日だった。

普段なら2時くらいまで仕事を続けるのだが、今日は暇だしもうそろそろお開きにしようかと考えた僕は、最後に1曲だけ「上を向いて歩こう」を歌うことにした。

この曲を選んだのに特に深い意味は無い。

ただなんとなく今日最後のケジメの1曲かなと思っただけのこと。

すると、歌い始めてすぐ、2人組の男性が明らかに僕を見つめて近づいてきた。

2人共スーツ姿ではなくカジュアルな格好なので、サラリーマンではない印象である。

1人は40歳前後で、仮にAさんとする。

もう1人は見るからに若く、20代中盤のB君。

彼らABブラザーズは、僕の左側で立ち止まって本格的に歌を聴き始めた。

ただ、僕のギターケースには「リクエスト表」というのが立てかけてあるのだが、彼らはそれを開いて見ようとはしない。

ABブラザーズは、この「上を向いて歩こう」が好きなんだろうか。

 

 

普段僕は商売上の細かい理由で、こういう風に立ち止まった人に対しては、曲を中断してでも声をかける。

「何か好きな曲があったら言ってくださいね。」

と。

ただ、それはお金になりそうなお客さんだと僕が判断した時だけの話。

そして、この2人には僕は声をかけなかった。

つまり長年の経験による第6感から、彼らはあんまりお金を払ってくれそうもないと判断したわけである。
(↑ほんと、やらしい! けど、お仕事だから許してね♡)

 

 

そうこうするうちに、歌が終わりかけた頃、B君だけが足早にどこかに立ち去っていった。 

 

ああ、やっぱり俺が完全にノーリアクションやったし、歌に飽きて帰っちゃたんやな。

…あれ?

けど、2人って知り合いじゃなかったの? 

 

そう不思議に思いながらも歌を歌い終えた僕に、その場に残ったAさんが話しかけてきた。

 

「あのー、ちょっといいですか。」

 

「はあ、なんでしょう。」 
(↑完全に商売モードではないぶっきらぼうな口調。笑)

 

「えっとね、つかぬことをお聞きしますが、もしこちらがここには無いような楽譜を用意したら、その曲を演奏してもらうことって可能なんでしょうか?」

 

「…は??」

 

「えっとですね、こちらが譜面を用意して、その曲を演奏してもらうことはできるでしょうか?」

 

「…えっと、申し訳ないですが、言っておられる事の趣旨がよくつかめないんですけども。」 

 

 

ほんとに意味がよく分からなかった。

この人は突然僕に一体何を求めてるんだろう。

ただ、なんとなく勝手にイメージしたのは、

この人にはオリジナル曲があって、それを俺に歌ってほしいのかな

ということくらい…。

けどそれは、今からここでってこと?

それとも別の日にどこか別の場所で改めてってこと?

うーん、分からん…。 

 

 

「えー、ぶっちゃけて言ってしまいますと、斉藤和義ってご存知ですか?」

 

突然の予期せぬ名前の登場に僕はちょっとドキっとした。

 

「…あー、はい、まあ。」

 

「あっ、ご存知ですか。

えっと実は私、ビクターエンターテイメントの者でして…。」

 

「え!?」

 

ビクターといえば現在の斉藤和義の所属会社である。

なんでビクターの人がこんなところに!?

 

「でですね、明日斉藤和義のニューシングルが発売されるんですけども…、」

 

「知ってますよ。『おつかれさまの国』でしょ。

この間、HEY!HEY!HEY!で歌ってましたよね。」

 

「ワー!よくご存知で!!」

 

「知ってるもなにも、僕、昔から斉藤さんの大ファンなんですよ。」

 

一気にテンションの上がった僕は、(予期せぬリクエストに対応するために一応いつも持ってきている)その19歳の時に作った自作の楽譜集を取り出してAさんに見せた。

 

「うわー、すごい!!ほんとにお好きなんですね!ありがとうございます。

で、その『おつかれさまの国』をお兄さんにこれから時々ここで歌ってもらえないかと思いまして…。

今、『上を向いて歩こう』を歌ってらっしゃったみたいな感じで。」

 

「は??」 

 

 

 

なんでも、Aさんによると、ビクターの大阪支社が僕が歌ってる場所のすぐ近くにあって、そこは13階なので上から僕の歌ってる姿がいつも見えているらしく、実際にここで歌を聴いたことも何度かあって、ビクターの方々は僕の存在を以前から知ってくれていたみたいなのである。

そして、Aさんは常々「おつかれさまの国」のような、世のサラリーマンに向けたような曲を、実際にサラリーマンに向けて僕が歌ってくれないかなと思っていたらしい。

ただ、僕は先週はほとんど仕事を休んでいて、Aさんは会社の窓から「最近彼歌いに来てないなあ…。」と心配していくれていたらしく、昨晩はAさんの上司がたまたま僕の前を通って、

「A、今日は彼歌ってるぞ。お願いするなら今日しかないぞ。」

とAさんにすぐに電話連絡したらしいのだ。

そしてその電話連絡を受けて、Aさんが部下のB君を引き連れて急いでここまでやってきたというわけなのである。 

 

「今、部下に『おつかれさまの国』の音源と簡単なコード譜を会社まで取りに戻らせましたから、よかったらそれを見て検討してみてくださいませんか。」 

 

ああ、なるほど、さっきB君は会社に戻っていったわけやね。

ただ、

これで大体話の大筋は分かったし、実際、斉藤さんに関するそんなお願いを直々にされるなんてビックリするぐらい光栄で嬉しいんだけど、

ひとつだけ疑問なのが、

そんなことをして、ビクター側(斉藤さん側)には何のメリットがあるのだろうかということ。

まさか、これで宣伝効果につながるとでも思っているんだろうか。

それなら、そんな考えはとんでもない!

僕は普段仕事としてお金儲けのためにおじさん達にフォークソングばっかりを歌ってるわけで、そんな僕が時折「おつかれさまの国」を歌ったところで、知らない曲に対しておじさん達は聴いてくれはしたとしても、それが「その曲はなんだ?」と購入意欲までにつながるとはどうしても考えられない。 

 

と、

そのようなことを僕はAさんに伝えた。

 

 

「いや、宣伝効果とかメリットとかは全然関係ないんです。

ただ僕は、お兄さんにたまにでいいから、ここに通るような人達に対して『おつかれさまの国』みたいな曲を歌ってもらえたら、それはすごく素敵で嬉しいことだなあと思っただけなんです。

けどお兄さんがこれを仕事としてやられてるのなら、こちらもお願いしている身分なので謝礼をいくらかださせていただきますし…。」

 

「いやいや!謝礼だなんてとんでもない!!

ただ、ほんとに僕なんかでいいのかなあと思って…。」

 

「是非!!」

 

 

そうこうするうちに、B君も会社から戻ってきて、僕にプロモーション用のCDとコード譜を渡してくれた。 

 

Photo_2

 

そして、僕はこの歌のサビだけはなんとなく知っていたので、コード譜を見ながらサラッと歌ってみると、僕が斉藤和義の大ファンだとはまだ知らないB君は腰を抜かすほどビックリしていた。(笑) 

 

 

しかしまあ、利益などは関係なしに、ただの街のストリートミュージシャンにこんなお願いを出来るAさんっていうのは、ほんとプロモーターの鏡みたいな人である。

よっぽど自分の担当するアーティストに愛情を持っているんだろうなあ。

 

 

 

この後、僕たち3人はいろいろと斉藤和義談義に花を咲かせた。

(その中で、最近僕が買った斉藤和義さんと伊坂幸太郎さんの対談集があるんだけど、その本の出版にAさんが深く関わってるという事を聞いて、なんだか少し不思議な縁を感じた。)

20分ほど話を続けて、では2人がそろそろ会社に戻るという時、僕は

「ほんとこんな遅い時間までお2人共お仕事

おつかれさまでした。」 

と言った。

すると2人は、ニヤリと笑い、

「こちらこそお仕事の邪魔をしてしまってすみませんでした。

おつかれさまです。」

と返した。

 

 

ほんと、この国は「おつかれさま」という魔法の言葉がある素敵な国だ。 

 

 

 

 

と、いうわけで、

僕は何故だか突然、本日12月3日発売の斉藤和義NEW SINGLE「おつかれさまの国」のビクター・SPEEDSTAR公認宣教師に任命されてしまいました。

今後曲をちゃんと覚えて、暇な時などにちょくちょく仕事場で歌って、おじさんやホステスさん達を癒していけたらなと思っています。

今回の話はすごく急いで書いたので、みなさんにちゃんと伝わってるかどうか心配ですが、とにかく僕は今相当興奮してるんです。

だって、あの憧れの斉藤和義さんのプロモーターの方から直々にあんなお願いされたんですよ?

長年仕事を頑張っていると、こんなご褒美があるもんなんですね。

僕の人生の中のかなりの自慢話になりそうです。

Aさんは、「きっと、斉藤本人も喜びます。」と言ってました。

ほんまかいな…。

とにかく、この際、せっかくなんで、みなさんもこの「おつかれさまの国」を聴いてみてください。

 

 

それが大事 Music それが大事

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あ、間違えた!(笑)

こっちです。 

 

おつかれさまの国(初回限定盤) Music おつかれさまの国(初回限定盤)

アーティスト:斉藤和義
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2008/12/03
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特に、日頃頑張ってる方、疲れている方などが聴くと、すごく癒される曲だと思いますよ。

たくさんの方に聴いてもらえると、もちろん斉藤さん本人も喜ぶでしょうし、こうなった以上、僕もなんだか嬉しいです。

とにかく、

みなさん、今回はこんなに大急ぎで書いた粗くて読みにくい文章を最後まで読んでくださって、ほんとに

 

 

おつかれさまでした!

(しつこい?) 

 

 

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2007年12月27日 (木)

優しさ

はい!まずは前回の記事の答え合わせから。

あれは、各段落の一番左の一文字を縦に読んでいくと、

「メリークリスマス!
みなさん、今年も一年いろいろとありがとうございました!
これからも仲良くしてくださいね。
あー疲れた(笑)」

っていう文章になるんです。

えっとね、ほんとはこんな風に自分で詳しく説明するのはすごく恥ずかしいんですけどね(笑)、僕の知り合いの中に何人か、

「なんや、『メリークリスマス!』だけやと思ってた。へー、まだ続きがあってんな。」

なんてのんきな事を言ってくる友達がいたもんで、もしかしたら、みなさんにもあんまり伝わってなかったんかなあと心配になっちゃったんです。

だって、せっかくのクリスマス・イブにあれだけ頑張って書いたのにー!(涙)

これを機に、もしみなさんの中でも、よく趣旨を分かってなかった方や、まだ前回の記事を読んでないという方がいらしゃったら、是非、

いますぐ、GO!!!

さて、話は変わって、今日はちょっと、昨晩の話をさせてください。

僕がいつも歌っている飲み屋街の片隅に、手押し屋台の「石焼きいも」屋さんがいる。

背の小さいおばあちゃんと、これまた背の小さいおじさんが2人で商売している。

目の前を通るサラリーマン達に、このおばあちゃんがいつも

「焼きいも買うて~。」

と大きな甘えた声を張り上げている。

何とも大阪ならではの焼きいも屋さんだ。

ただ、明らかにそんなに売れている気配はないし、2人の姿を見てもそのつつましい生活ぶりは見て取れる感じはある。

さて、この焼きいも屋さん、僕よりも店を閉める時間が少しだけ早いみたいで、昔からよく手押し屋台を押して帰る途中に僕の前を通る。

そして、僕の前にお客さんが居ない時は、2人とも決まって満面の笑顔で僕とお喋りしていく。

内容はたわいもないことだ。

今日は人通りが多かっただとか、少なかっただとか、寒くなってきたから風邪を引かないようにだとか、まあそんな感じだ。

ただ、昔から、僕がどうしていいか分からないことが1つだけある。

それは、

僕の前にお客さんがいて僕が歌ってる時に、たまに、おばあちゃんの方が、何も言わずに千円札を僕のギターケースに入れてくれる事。

これは、歌を聴いてくれたお客さんからなら、僕はそれを目的にこの仕事をしているわけだからすごく嬉しい。

けど、おばあちゃんは、同業者というか、仲間というか、いわば同じ側の人間。

正直、何だか複雑な気持ちになってしまうのだ。

おばあちゃんにとっては、多分、「いつも頑張ってるね」という類いの気持ちの表れなんだろうけど、それはこちらからしても同じ事。

そんなに山ほど儲かるわけじゃないだろうに、あんな年齢で寒い中大きな声を何時間も出し続けて、ようやく稼いだお金を、いくら千円とはいえ何も僕にくれなくてもいいのに。

まだ、僕の「歌」に対してお金を入れてくれるなら、少しは納得できるんだけど、おばあちゃん、いつもお金を入れた後は、僕が他のお客さんに対して歌ってる間に、そのまま帰ってしまうだもん…。

だから、僕はいつもどうしたらいいか分からなくて、その度に目でお礼するぐらいしかできずにいる。

そして、昨晩。

昨日はどうやら僕の方が終わるのが早かったらしく、僕が後片付けをしている最中におばあちゃん達が通った。

そして、ひとしきり3人で会話をした後、珍しくおじさんの方は手押し屋台を押して先に帰っていった。

残った僕ら2人はしばらくまだ会話を続けていたんだけど、その途中、おばあちゃんが突然、

「あ、そうや。」

と言って、ポケットから今日稼いだんであろうの千円札を取り出し、僕に手渡してきた。


「い、いや、今日は僕、もう歌ってるわけでもないし、いつも貰いすぎてるから、もう大丈夫ですって。ほんまに。」

「分かったから。そんなこと言わんと、早くしまい。」

「もー…。
だって、いつも僕、どうやって恩返ししたらいいか分かりませんもん。」

僕がそう言った途端、今まで笑顔だったおばあちゃんの表情が急に険しくなった。

「恩返しとかな、そんな事考えたらあかん!
わたしはそんな気持ちでいつもあげてるわけやないんやで。
あんたのことは昔からよう知ってるし…。
とにかく、恩返しとかそういうことはあんたはなんも考えんでええの!
わかった?」

「は、はい…。
ほんと、いつもありがとうございます。」

すると、おばあちゃんはいつもの優しい笑顔に戻り、

「今日はもう無いけどな、明日は焼きたてのおいもさん持ってきたるからな。
ほんなら、風邪引かんようにはよ帰りや。」

と言い残して、手を小さく振って帰っていった。

僕はなんだか昔の事を思い出した。

それは、5,6年前の夏の事。

当時、日本一周一人旅中で、北海道の札幌に滞在していた僕は、ススキノで弾き語りをしている時に知り合った、キノシタさんという高級海鮮料理店の店長さんとそこの店員さん達に、これでもかというぐらいに親切にしてもらったことがある。

暇さえあればキノシタさんは自分のお店や他のお店で僕にご飯をご馳走してくださり、時々歌ってる所までわざわざ差し入れの手作りおにぎりまで持ってきてくれたり、たまにはゆっくり寝れるようにとカプセルホテルのタダ券をくれたり、僕の車が駐禁でレッカー移動された時なんかは、お店の方全員でいろいろ力になってくれたりと、とにかく何から何までお世話になりまくったのだ。

僕はある時聞いた。

「何で、そんなに僕に優しくしてくれるんですか?」

と。

すると、キノシタさんは答えた。

「あのな、たかゆき。

最近ようやく分かってきたんだけど、

昔若い頃な、俺もある人にものすごく親切にしてもらったことがあるんだよ。

その時に俺も聞いたんだ。今のお前みたいに。

『なんで、そんなに優しくしてくれるのか?』って。

そしたらな、その人なんて答えたと思う?

『俺がいくらお前に優しくしたからって、お前は俺にそのお礼なんてしなくていいんだ。

その代わり、お前がいつか大人になった時に、自分より若いやつにその分精一杯優しくしてやれ。』

だってさ。

分かるか?たかゆき。

お前も、俺がしてやったことを、俺に恩返しするんじゃなくて、いつかお前が逆の立場になった時、その相手に精一杯のことをしてやればいいんだ。

そうやって、優しさっていうものは、巡っていくんだよ。」

この言葉は、あの時、僕の心の奥に深く深く刻みついた。

そうだった。

よし、

明日は、ただ笑顔で「ありがとう」って言って、美味しくおいもさんを頂こう。

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2007年8月25日 (土)

僕はここにいる

いやあー、しんどかった…。

実は僕、この1週間くらいずっと、原因不明の「高熱と強烈なのどの痛み」にうなされてたんです。

けど別に、夏風邪をひいたわけでも扁桃腺が腫れていたわけでもないらしく、お医者さんも原因が分からないと困っていました。

さらに、現在彼女もおらずめっきり友達も減った感じの僕なんかは、もちろん誰にも看病などはしてもらえず、原因明確の「寂しさ」にもうなされ続け、もうヘロヘロ感でいっぱいでした…。

しかしまあ、おかげさまで(何の?)、今はやっと熱も完全に下がり、のどの痛みも大分マシになってきたのでようやく一安心です。

ありがとうございました。(誰に?)

そんなわけで、昨日まで仕事も全然出来てなかった僕は、お盆休みもはさんでたんで、かれこれ2週間ぐらい連続で仕事を休んでたことになっちゃってたんです…。

・・・・・・・・・・・・・・。

ん?

こんな風に好きな時に好きなだけ休むことができる僕の身分が、正直ちょっとうらやましいんでしょ…?

もしくは、このニート野郎!とか思ってるんでしょ?(笑)

・・・・・・・・・・・・・・。

いやいや、けど実際僕にとっては全くうらやましいことなんかじゃないんです!

だって、僕の仕事の場合、休めば休むだけそれに比例してただただ収入が減っていくだけなんですから…。

もちろん、何の保障があるわけでもないし…。

ああ、お金が…。(涙)

しかしまあ、「美輪さん壁紙」で幸せになれるだなんてやっぱり全くのガセネタですなあ。

だって、さっそくこんな結果ですよ…。

ああ、なんやかんやで結構期待してたのになあ…。

1週間、パソコン開くたびに顔を合わす拷問にも何とか耐え切ったのになあ…。

あ、もしかして、1週間限定っていう期間が短すぎたんかな?

けど、あれ以上(1週間)あの拷問続けたら、そりゃ他の事やったらどんな些細な事でも幸せに感じれるわっちゅう話やしなあ…。(苦笑)

ああ、もうええ、もうええわ。

この話はおわり。

とにかく、みなさんものどの痛みと黄色いおっさんの扱いにはくれぐれも気をつけてね。(笑)

と、言いながらも、昨晩はさすがに金曜日ということで、病み上がりの身体をおしてものすごい久しぶりに仕事に向かったんですけど、そんな僕にさっそくご褒美ともいえる嬉しい出来事が起きたんです!

多分ね、みなさんにとっては僕が興奮するほどのそんなに大した事ではないと思うんですけど、僕にとってはすごく意味のある大きな出来事だったんで、将来の自分の為に忘れてしまわないようにも今のうちにここに書き記しておきたいと思います。

えっと、夜11時すぎ、僕と同じ歳ぐらいの一人の女性が、歌ってる僕に話しかけてきました。

「あのー、すみません、もしかして3年くらい前もここで歌ってらっしゃいませんでした?」

「え?
あ、はい、もう長い間何年もここで歌ってるんで、多分僕だとは思いますけど。」

「うわー!やっぱり!
まだ歌ってはったんやー!!」

その女性はそう言って、ほんとに嬉しそうにピョンピョン飛び跳ね、目にうっすら涙までためている。

ん!?

んんん…?

一体、何のこっちゃ…?

「あー、えっと…、正直何が何だかよく分からないんですけど、僕、3年前に何かしましたか?」

「いや、違うんです!
3年前ね、私酔っ払って友達と2人でここであなたの歌を聴いてたんです。」

「はあ。」

「確か、私が『いちご白書をもう一度』か何かをリクエストして。」

あ、完全に俺や…。

だって、このご時世にそんな古い歌を道ばたで歌ってる奴なんてほとんどおらんもん…。(苦笑)

「ハハ、それ完全に僕ですね…。」

「それでね、その歌を聴いてる途中にね、あなたの馴染みのお客さんみたいな男性が2人
『おお、兄ちゃん、今日は若いお姉ちゃんに囲まれて、えらいモテモテやないか。』
とか言って、その輪に入ってきたんです。」

「はあ。」

「初めのうちはね、せっかくお兄さんの歌をゆっくり聴いているのに邪魔だなあなんて思ってたんですけど、私達も結構酔っ払ってたんで、いつの間にかその人達と意気投合してしまって、それから一緒に曲をリクエストしたりして、結局何曲もみんなで歌を聴かせてもらったんです。
覚えてらっしゃらないですか?」

うーん、そういう事は確かにたまにあるが、今まで、のべ何百人、何千人、いや、へたしたら何万人の方に歌を聴いてもらってきたので、よっぽど印象深い何かがないと、そんな3年前のお客さんのことまでは正直覚え切れていない。

「えっと、申し訳ないですけど、僕も毎日のことなんで、正直ちょっと覚えてないですねえ…。」

「そっか…。
けど、ここからがすごいんですけどね、お兄さんの歌を聴き終わった後、せっかく意気投合したのにもったいないということになってね、その男性のうちの一人とね、ここでなぜか私メールアドレスを交換したんです。
酔っ払ってたからね…。」

くそぅ!酔っ払ってたのなら、なぜそこでとメール交換しない!(笑)

お客さん同士で勝手に盛り上がりやがって…。(涙)

まあけど、実際こういうことも、ごく稀ではあるがあることにはあって、男女問わず初対面のお客さん同士が連絡先を交換し合っている姿を何度か見かけたことはある。

多分その中の一組なんだろう。

ああ、なんとな~くやけど、うっすら思い出してきた気もするなあ…。

「それでね、」

「はいはい。」

「実は私、去年その男性と結婚して、来年子供も生まれるんです。」

「え?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

時が止まるっていうのは、ほんとにこういう時の事を言うんだろう。

僕はびっくりしすぎて一瞬言葉を失ってしまい、同時に鳥肌が全身を駆け巡るのを感じた。

しばらくすると、僕は得体の知れない何かあったかーいものに包まれた気分にもなっていった。

ああ、こんなことってあるんやなあ…。

女性はただニコニコ笑っている。

なんでも、あの日から、メール交換→食事→交際へと次々と発展し、順調にお付き合いを続けた後、去年、男性が東京へ転勤することになり、それを機に女性が東京について行く事を決意し「結婚」ということになったらしい。

昨晩はたまたま用事があり、奥さん一人で大阪に戻ってきていたらしく、せっかくなんであの歌のお兄さんがまだあそこで歌ってるのなら、会って結婚の報告とその時のお礼がしたいと思い、わざわざここを訪ねてくれたらしい。

うん、

今僕はずいぶん幸せ者や。

みなさんがこれを読んでどう感じたかは分かりませんが、この昨日の夜の出来事は僕にとってはすごくすごく大きな出来事だったんです。

だって、どんな間接的な理由であれ、僕が3年前のあの日、あそこで歌を歌ってなかったら2人は出会ってなかったんですよ。

彼女やその男性が僕の知り合いだったならまだしも、2人は見ず知らずのただのいちお客さん

そんな2人が、僕の歌をきっかけにして、新しい家族になり、新しい人生をスタートさせる…。

さらに、お子さんまで生まれるだなんて…。

それは、ひとつの命の誕生の陰に、僕の存在があったってことですもんね。

もちろんそんな大げさなものではなくても、僕にとっては、最近すっかり見失いかけてた自分の仕事に対するやりがいや意味を改めて少し再発見させてもらえた出来事でした。

あー、昨日は嬉しかったなあ。

無理して仕事行って良かった!

あ、それから、やっぱり美輪さんっておるね!

(あ~あ、この人、「神様はやっぱりいる」みたいな言い方してもうてるよ…。笑)

うん、神様もいる!

僕もいる!

みんなもいる!

あの新しい家族もおる!

みんなみんなおる!

それだけ!!

どんだけ!!

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2006年12月29日 (金)

時代

少し迷いましたが、どうしても今日書きたいので、書かせてもらいます。

ある常連の、クラブのママさんがいた。

彼女は年齢はおそらく50歳すぎ、ひょろりとした体形で、顔立ちは面長。

きっと若い頃は美人でモテたんだろうなと思われる面影が残っているのだが、今の彼女は僕から見ると、なんだか憂いというか哀しみのようなものがにじんでるような気がいつもしていた。

まあ、長い人生、ここにたどり着くまでに、いろんな事を経験されてきたんだろう。

僕は、勝手にそう解釈していた。

このママとは、もう4、5年のお付き合いになるだろうか。

ママはほんとうに僕の事を気に入ってくれていて、仕事帰りに頻繁に僕の歌を聴きに来てくださった。

大抵は一人で来られるんだが、たまにある特定のサラリーマンの男性と一緒に来られることもあった。

おそらく男性はお店のお客さんだろうが、2人がそれ以上の関係であることは、明らかに見て取れた。

ただ同時に、その男性にちゃんと家庭があることも容易に想像できた。

ママは決まって、長渕剛の「巡恋歌」と中島みゆきの「時代」をリクエストした。

「巡恋歌」が始まると、いつも僕の目の前の定位置で腰をかがめ、食い入るように僕の目を見つめたまま、歌詞をひとつづつ確かめるかのように、歌に合わせてゆっくりと体でリズムをとる。

男性が同伴の時は、「いつまでたっても恋の矢は、あなたの胸にはささらない。」という歌詞のところで、その男性を指さし、よくおどけてみせた。

「わたし、みゆきが好きや。」というママは、「時代」を歌っている時には、目に涙を浮かべていることもあった。

「わたしな、あなたの歌が、ほんまに好きやねん。
あなたの歌を聴くと、癒されるねん。
つらい時でも、励まされるねん。」

いつも、そう言ってくださった。

そんなママが、2年ほど前、僕にこんな事を言ったことがある。

「わたしな、末期のガンやねん。
だから、もうすぐ死ぬねん。」

あまりにもさらりと真顔でそんな事を言うので、僕は

「もう、悪い冗談やめてくださいよ。
今、ちゃんとお元気じゃないですか。」

と返すしかなかった。

「ううん、冗談じゃないねん。
明日から入院や。
もう、長くないわ。」

ママは、じっと遠くを見つめていた。

その日以来、ほんとにパッタリとママの姿を見ることがなくなった。

心配したが、僕にはどうすることもできないことだ。

それから半年ほど経ち、正直あまりその事についても考えることがなくなってきていたある夜、突然ママが僕の前にふたたび姿を現す。

よかった、退院しはったんや。

どうやら、仕事にも復帰されたようで、その日からまたママをよくお見受けするようになった。

ただ、以前のママと決定的に違う点が2つだけあった。

それは、見た目がびっくりするほど痩せ細って、ガリガリになっていたことと、もう1つ、以前のように僕の歌を聴いていくことが全く無くなったことだ。

会話すら一言も交わさない。

ただ、目で挨拶するだけ。

顔がすごいやつれた様子で、フラフラとあるく彼女。

理由は無いがなんとなく、僕からも声をかけることはしなかった。

そんな日々がしばらく続いたが、僕は前にも言ったように、去年の9月頃から場所を変えて歌うようになったのである。

だから、必然的にそれからママに会うことは一切無くなった。

しかし、これはまだ言っていなかったが、実は、僕はこのブログを始めた今年の7月の初めあたりから、また以前の長年やっていた場所に戻って歌っている。

そのいきさつなどはまた今度説明するが、とにかくだからここ半年はまたママに会う機会がもどってきたのだ。

月日が経ち、最近のママは、もう見た目にも元気を取り戻し、また以前のように僕の歌を聴いてくださる。

あの男性を連れてくるところも、いつもの定位置で腰をかがめるところも、昔と何ら変わりない。

僕はホッとしていた。

そして昨晩。

12月28日。

昨日は、あの男性ひとりでやって来た。

そして、僕に告げた。

「ママが死んだよ。」

あまりにも突然のことで、しばらく言葉が出なかった。

そして、頭の中がぐるぐると音をたてて回る。

けど、僕にはどう曲げる事も出来ない、現実、だった。

「自然死」だったらしい。

その自然死が、前に言ってたガンによるものなのかどうかは、僕には分からない。

ただ、ひとつ確かなことは、ママはもうこの世にはいない、ということ。

そして、もうひとつ、初めて知った事がある。

それは、ママがずっと「独り身だった」ということ。

「巡恋歌を歌ってもらえないか。」

そう男性に言われて、僕はただ黙ってうなずいた。

ハーモニカを用意する。

ママに捧げる、最後の「巡恋歌」だ。

そう思って、僕はイントロのハーモニカを吹き始めた。

すぐに、自然と涙があふれ出す。

歌が始まると、今日が年末だからか、僕が泣いて歌っているからか、すぐに人が何人か集まってきた。

けど、今日のこの歌は、僕はママのためだけに歌いたかった。

だから僕は目を閉じる。

歌いながら、いつものように僕の目の前に腰をかがめるママを「イメージ」する。

ママは確かにそこにはっきりと存在する。

いつものように僕の目をまっすぐに見つめ、体でリズムをとっている。

やっぱり涙が止まらない。

最後のエンディング部分、僕はその彼女を見つめたまま、ほんとに精一杯ハーモニカを吹いた。

さようなら。ママ。

歌が終わって、ふと我にかえって目を開けると、いつの間にか僕の周りには人だかりが出来ていた。

そして、一斉に拍手が起きる。

男性に目をやると、彼も目に大粒の涙を浮かべ、僕に深々と一礼をして、無言のまま立ち去っていった。

僕はこの後、目の前のたくさんの人達に対して、すぐには「営業」する気にはなれなかったので、もう一曲だけ、「時代」をママに捧げた。

もう目はつむらなかった。

出会いがあるから別れがある。

出会いがなければ別れもない。

けど、それでもやっぱり、僕は出会う事を選びたい。

ただの街のストリートミュージシャンと、それを聴く仕事帰りのクラブのママ。

ただそれだけの関係。

けど、この広い世界の中で、僕とママが出会ったのは、まぎれもない真実。

その事実は、何があっても変わらない。

ママ、2007年を迎える事は出来なかったけど、これからはもう、ゆっくりできるからね。

どうか、どうか、安らかに眠ってください。

「時代」           
                  作詞:中島みゆき

まわるまわるよ 時代はまわる

喜び悲しみくり返し

今日は別れた恋人たちも

生まれ変わって めぐりあうよ

めぐるめぐるよ 時代はめぐる

別れと出会いをくり返し

今日は倒れた旅人たちも

生まれ変わって 歩き出すよ

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2006年8月11日 (金)

ご利益

以前にこんなお客(?)がいた。

30代後半ぐらいの女性だった。

僕のギターケースに小銭をチャリンと投げ入れ、パンパンと両手を合わせ、深々と頭を下げたのだ。

そして、歌も聴かずにすぐに立ち去っていった…。

って、わしゃお地蔵さんかい!

っていうベタでしょっーーもないツッコミもいれたくなるくらい、僕のことをお地蔵さんあつかいしやがったのだ。

失礼やなー。

何?罰ゲーム?

しかし、これにはまだ続きがあった。

1週間後。

同じ女性がまた僕の所にやってきた。

おいおい、また来たで、と思っていると、

「ありがとうございました!ほんとに願いが叶いました!」

と言って、今度は5千円札をギターケースに入れて去っていったのだ。

ん?願いが叶ったって、前拝んでった時の分?

・・・・・・・・・・・。

すげーな、…。

確かに、昔から似ている有名人はイエスキリ○トってよく言われてたけども…。
(キリ○ト教信者の方、すいません。)

僕にそんなパワーがあっただなんて。
ほんまにお地蔵さんやん。

しかし、5千円分もの願いってどんな願いやったんやろう、僕もできるもんなら拝んでみたいなあ。

みなさんも、もしどうしても叶えたい夢があったら、たかゆき地蔵まで足をはこんで拝んでみれば?
夢が叶っちゃうかもね☆

(って、ほんまに来たら次は全身全霊をかけて無視するけど…。)

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2006年8月 8日 (火)

天罰と伯方の塩

ああ、昨日ズル休みしたから、今日は頑張ろうと思って、テンション上げまくって仕事に行ったのに、一曲歌っただけでカポタスト(ギターにはめる道具で、使うことによって、曲のキーを変えることが出来る。)っていう大事な道具が突然ぶっつぶれて仕事出来へんようになってもうた…。

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これが

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これに…。

僕の仕事は、いろんな歌を歌うから、このカポタスト無しでは何にも出来ないんです。
いや、ほんと。

ちょっと前までは、いつ何が起こるか分からないということで、予備のカポタストを常備してたんですが、最近は怠慢で、それすらしてませんでした。

だって、普通、カポタストって失くすことはあっても、突然壊れるような物じゃないんだもの。

とにかく、どうしようもないということで、結局一曲でわたくし家に帰ってまいりました。敬礼っ!

ああ、天罰や。
昨日ズル休みした天罰や。
そうに違いない。

予期せぬかたちで、2日連続お休みになってしまったわたくし。
一体、今からどう過ごせばいいんでしょうか?

今日一日、仕事する方向で気持ちをもっていってたから、テンションだけはやたら高いんです。

いつも仕事を楽しみで行ってるわけじゃないけど、やる気満々の時に仕事が出来ないっていうのも、これはこれでつらいもんですね。

あっ、そうや。
先週の有名人情報書くの忘れてたから、今のうちに書いとこう。

えっと、先週の火曜日、割烹「神田川」を経営され、「料理は心や!」でおなじみの料理人、神田川俊郎先生が、たまたま僕の前で背を向けて、お連れの若い女性2人と立ち話をされていた。

僕は、お客さんもいなかったので、ここぞとばかりにかぐや姫の「神田川」を歌い始めた。

すると、歌い始めたとたん、神田川先生はくるりとこちらを向き、ニヤリとしてその女性達に

「偉い!ウチの歌を歌っとる。」

と言って、2千円ギターケースに入れてくださった。わーい。

実はこれ、僕は、その場のノリで「神田川」を歌ったわけじゃなく、ちゃんとした根拠があってのことだったのである。

ご本人はきっと完全に忘れられていると思うが、何年も前にもこんなことがあったのだ。

その時は、ほんとにたまたま「神田川」を歌ってたんだが、奇跡的偶然にもその時にも神田川俊郎先生御一行が5,6人で通りかかられて、僕の歌が耳に入った先生が、

「偉い!この子はウチの宣伝をしてくれとる!」

と言って、なんと一万円入れてくださったのである。

つまりこの経験があったから、今回僕は、下心丸出しで、「神田川」を歌ったわけである。

やらしいでしょ。

けど仕事上手でしょ。

(けど、歌の「神田川」と料理人「神田川俊郎」は、まったく別物で関係はないんじゃないかという僕個人の疑問の心は、胸の奥にそっとしまっておこうと思う。笑)

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2006年8月 7日 (月)

泣き言

ああ、今日は仕事行きたくないっ!

特に理由はないんだけど、どーしても行きたくないんです。

前にも一度いいましたが、この仕事は月~金までの5日間のうちの4日やるのが基本で、またそれが限界です。
5日連続はとてもじゃないけどのどがもたないからです。
4日連続も正直ギリギリです。

だから、大抵は火~木のどれか一日をのどの休憩日として休みます。

そうなってくると、もし月曜日に休んでしまうと、4日やるためには火~金の4日連続でやらなければいけなくなり、それはキツイということで、月曜日だけは休んじゃいけない日として、僕の中で定着しています。

けど、今日は行きたくない…。

と、いうわけで、今日はズル休みをして、このブログを書いています。

この仕事、仕事の度に毎日テンションをMAXまで上げていかないと、成り立たない仕事なんですが、今日はどうも上げれそうもないんです。

そんな日もたまには?あります。

毎日きちんと働かれている方からすれば、

「この野郎、甘えたこと言いやがって!」

と思われるかもしれませんが、僕にとっては、ほんと繊細な仕事なんです。

もちろん、無理に仕事に行って、それなりに仕事をこなして、今日をやり過ごすっていうことは、いくらでもできます。

儲けもそれなりにあがるでしょう。

けど、それは一日単位で考えると別に問題はないんですけど、長い目でみてみると、僕にとってマイナスのことばっかりなんです。

なんといっても、どれだけ偉そうなことを言ってみても、通っている人からみれば、僕はただ道端で歌っているだけの人

それが事実なんです。

だから例えば、今日初めて僕の歌を聴いてくださった人が、「なんだ、あまり良くないな。」と思ったら、その時はお金を入れてくださっても、もうその方は二度と僕の前に立ち止まって歌を聴いてくれることはないでしょう。

逆にもしそれが、僕の調子の良いときのパフォーマンスだったら、その人は喜んでくれて、これからも僕の近くを通る度に、何度も何度も立ち寄ってくれるかもしれないんです。

この違いは、長い目でみると、ほんとに大きな大きな差を生み出します。

同じ場所で何年も安定して稼いでいこうとおもったら、やはりやみくもにやっていてはダメです。

通る度に、歌を聴いてお金をいれてくださるような常連さんをたくさんつくらないと。

だから、初めての人に対しては、今日はダメだったから、また次の機会にってわけにはいかないんです。

一回一回、その時が勝負なんです。

気分が乗らない時に行って、これから大事な常連さんになるかもしれない人を逃すわけにはいかないんです。

いまいる常連さん達にしてもそう、せっかくいつも来てくださっていても、一回良くないと思ったら、もう来なくなることは簡単です。

僕にとっては大きなことでも、あちら側からしてみれば、ただ道で歌を聴くのをやめるだけ、っていう小さなことなんです。

それを理解しておかないと。

僕は今、ほんとに覚えきれないくらいの常連さんに恵まれて、仕事をしています。

ありがたいはなしです。

だから、僕は、その人達のためにも、今日は仕事を休むことを、高らかにここに宣言いたします。

2006.8.7   代表取締役社長 たかゆき

わあ、ズル休みしたいだけやのに、なんて壮大な言い訳…。(笑)

みなさん、こんなの鼻くそほじりながら耳半分で聞いててくださいね。

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2006年7月26日 (水)

祭り、のちオカマ

天神祭りも無事終了。大阪にも、ほんとの夏がやってきます。

もちろん僕は今日も仕事でした。

仕事中、一人のダンディーなサラリーマンの方がすごい熱心に僕の歌を聴いてくれていました。

いつものように声をかけると、見かけからは想像できないようなすごいダミ声

「いやー、あんたセクシィーやわー。2万円でどう?

そういうのはやってないの?」

と、聞いてきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

キャー、こわいよー。

僕が困ってると、さらに付け加えてきました。

「あなたは何もしなくてもいいから。完全受け身でいいから。わたしが全部やってあげるから。」

う、受け身?
いかん、いかん、想像しちゃだめだ、たかゆき!

「そ、そういうのは、や、やってないんで、す、すいません…。」

「あら、そう?残念だわー。」

な、なんや、このおっさんは…。
見た目は普通のサラリーマンやのに…。
夜の世界はやっぱり恐いよーー。

とはいえ、実は2,3年前にも一度同じようなことがあり、その時にも

「2万円までなら出すよ。」

と言われた経験があり、今回の一件と合わせて考えてみると、

僕の相場は2万円

ということだけが、はっきりとわかりました。(笑)
こういう仕事をしてると、いろいろ勉強になります。

みなさんも、自分の値段が知りたければ、夜、飲み屋街で歌ってみれば?
身の保障はできんけど…。

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