2006年7月21日 (金)

極私的弾き語り論3

続き・・・

あと、こんな珍しい仕事は、世間に認められないのが少しつらい。
国からみれば、僕は所詮無職だ。
人に職業を聞かれた時も、説明のしようがないのだ。
おそらく、言っても、分かってもらえないだろうし…。

そして、やはり僕にもこの弾き語りに対するプライドが少なからず、というか、かなりあり、たまに同年代でちゃんと定職についてる奴に「しょせん弾き語り」なんて目でさげすんで見られると、ものすごく哀しい気持ちになる。

だから、この仕事はどんどん自分を孤独に、そして不安にする。

こんな仕事をやってる人が周りに絶対いないので、今日は儲けることができるのか、そして止められやしないかという不安や(これはいまだに毎日感じている。なんの保障もないからだ。儲けることができなければ、それでジ・エンドなのである。)、愚痴や楽しさやつらさや、その他日常生活では絶対に味わうことのないすべての感情を、誰にも完全にはぶちまけることができず(聞くことはきいてくれても、絶対に共感はできないはずなので)、すべて自分の中に閉じ込めなければならないのだ。

他の仕事にはおそらくいるであろう、一緒に共感し、相談しあえる仲間や同僚がいないのである。
一部の友達からは、なまじっか儲けてるだけに、僕の愚痴はいやみにしか聞こえんとまで言われたこともある。

と、まあ他にもいろいろとつらいこと悲しいことがあるのである。

それでも弾き語りを続けているのは「惰性」という以外に言い方がない。

やはり、現時点で今できる他の仕事より儲かるので、やめるにやめられないのだ。
(儲かるっていっても、その分うっぷん晴らしに使いまくってるから、ほとんどお金はたまらんけど…

それに、飲み屋街の大抵いつも同じ場所でやっていて、10年もやってるとちょっとした名物みたいになってしまい、常連さんが増えまくり、「やりやすまくり」の環境になってしまったのもやめられない理由の一つだった。

けど、こういう仕事を一生家庭を持ってまで続けられる訳がないし、続けるわけにもいかないので、いつかはケリをつけてやめなければならないとは思っている。

と、まあ、長々と3回にもわったって好き放題書いてきたが、とにかく今の僕の仕事はこういう仕事なのである。
自己紹介おわりっ!
ご静聴ありがとうございました。

(ここ数日、雨ばっかりで、ほとんど仕事できてません。ずっとパソコンの前にいます。人生こんなんでいいのかしら?)

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極私的弾き語り論2

島田S助さんのことは、ひとまず置いといて、19日の続きの話書いていいかしら。ごめんさいね。

続き…

ただ、聴いている側は、まさか僕がそんな事を考え、実際結構儲かっているなんてことは絶対知らないし、知られてもいけない。だから、ギターケースの中のお金はいつもこまめに偽装している。

おじさん達は僕を、「夢見て、頑張っている青年」だという認識で見ていて、僕もそれを完璧に演じきるのだ。目線までも考え抜いている。

そこでやっとお金が発生するのだ。

つまり、ちょっとした小劇場である。僕の一人芝居をみんなは喜んでくれてるわけだ。

始めた頃は、こんな嘘をつくようなやり方でお金を儲けることに対していささか疑問を感じていたにはいたが、今では完全に自分の中で納得している。

つまり、おじさん達は僕が歌うのを見て聴いて感心し、昔を懐かしんでいい気持ちになり、お金をはらう。

僕はお金をもらう以上、手を抜かず真剣に歌を演じる。ほんとに真剣に歌う。そして、そのお金で生活ができる

ここに見事に「需要と供給」の形が出来上がってるではないか。

誰一人として嫌な思いはしていない。
反対に、僕を含め、全員が喜んでいるのである。

つまり、ここに何も疑問を感じることはないのだ。

さらに、僕は今まで一度も具体的な金額をお客さんに要求したことはない。
すべてあちらまかせだ。

その結果が、一人500円であり、1000円であり、ごくたまに一万円なのである。(10万円っていうのも一度あったが…)(あともちろん、1円やら10円を入れる人もよくいる)
それが積み重なり一日2万なり3万なり4万という儲けになるのだ。

こういう風に書いていると、この仕事は素晴らしい事ばかりにも思えてくるが、その反面、嫌な事も山のようにある。

まず、1日4~6時間も声をかけ続け、真剣に演じ、真剣に歌い続けてると、もう心身ともにヘトヘトになる。
肉体労働には無い意味の分からん疲れである。
言葉では言い表せない強烈な疲れだ。

なのに、弾き語りが終わった後2,3時間は、どれだけ体が疲れていても、僕は眠ることができない。
が寝ようとしてくれないのだ。
これはけっこうつらい
10年たった今でも変わらず続いている。

弾き語り中のトラブルも多い。
やはり飲み屋街でやるということで、想像しうるすべてのトラブルを体験しないといけないのだ。
ほんとにいろんなトラブルだ。(虎舞竜ではありません)
書くのも嫌なくらい・・・。

ごめん、まだ続きます。
次へつづく…

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2006年7月19日 (水)

極私的弾き語り論

長いですけど、ちょいとおつきあいを。

まず、何が目的で弾き語りをやっているのかというと、何かを訴えたいだとか、自分を表現したいとかじゃなくて、ほぼ100%「お金」である。
もちろん音楽は大好きだが、それと弾き語りは全く関係がない

やらしい意味じゃなく、今現時点で僕が出来うる仕事の中で、一番自由がきき、一番お金を儲けることが出来るのがこの「弾き語り」だったのだ。

それくらい僕の弾き語りは結構な額になる。

具体的に言うと、平日で2万~3万ぐらい。金曜日で3万~4万ぐらい。
なんだそれくらいざますかと思われるセレブな方もいらっしゃるかもしれないが、一般レベルからすると、やはり結構な額だ。
この額は10年間ほぼ変わっていない。

1週間のうちに、土日は飲み屋街がほぼ閉まってるので、月から金までの5日のうちだいたい3,4日(5日連続だと喉がもたないし、雨が降ることもあるから)、夜の9時すぎから夜中の3時前ぐらいまで歌っている。

だから月収にするとだいたい30~40万すぎぐらいだ。(梅雨の時期はやはりこれより少なくなるし、年末は逆にもっと多くなるが)
とにかく、大人一人が暮らしてゆくには十分な額になるわけだ。

しかし、昨日も言ったが、決して誰でも簡単に儲かるというわけではない。
実際、日本の中で、路上の弾き語りのみで生計をたてている人はほんとにほっとんどいないと思う。
これは自慢でも何でもなくて、僕は仕事として弾き語りを選んだ以上、徹底的にどうすれば儲かるのかを考え抜いてきたのだ。

そこに明日の生活がかかっているからだ。

その結果、僕の弾き語りはアンプマイクを使うスタイルになった。
今でこそ、そこらじゅうでアンプやマイクを使うストリートミュージシャンをいっぱい見かけるが、当時はほとんどいなかったのだ。
さらに、オリジナル曲や、最新の流行曲は歌わない、きょくりょく昔のフォークソングや歌謡曲だけを歌う、と決めた。
それらは全部、歌を聴くおじさん側に重点をおいた結果だった。

音の面で言うと、歌(特にフォークソング)というのは、たいていが強弱が必要なものである。
生声であれば、雑踏の中でやる場合、声がうもれてしまい、すべてのパートを張り上げて歌わなければならないのだ。
しかしそれでは喉がもたないし、おじさんも気持ちよく歌にひたれない。

だから僕は、おじさん達がいかに気持ちよく歌を聴けるか、いかに歌にひたれるか、そして、いかにお金をだそうと思うかを考え抜き、アンプを使うことを決め、自分なりにエフェクター(音色を変える機械)を工夫し、機材を工夫し、こういうスタイルを確立したのである。

もちろん、ある程度は周りの店や人にも気を使い、悪影響が出ないようにちゃんと音量を考えてやっているし、もしそれでも迷惑がかかり苦情がきてしまった場合は、すぐに立ち退いている。
ちゃんと、それが路上で歌う以上、最低限のマナーだと分かっている。

とにかく、僕の弾き語りには、アンプやマイクが不可欠なのだ。

そして、お金をたくさん儲けるにはそれだけでは足りないということで、入念な場所選びから始まり、こちらから通る人に声をかけ、聴いてくれる人とはちゃんと対話をし、「リクエスト表」というものを作り、その選曲にもこだわったのである。

声のかけ方としては、
まず、
「一曲どうですかっ!」
という決まり文句を言う。
この声かけの時は、ほんとに自分のプライドを全部捨てる。ほとんど営業だ。

あちらが少し興味をもちはじめたら、そこでさらにたたみかける

せっかくなんで、なんかお好きな歌がありましたら、「リクエスト表」っていうのもあるんで、一曲だけでも聴いていってください。昔のフォークソングとかを主に歌ってるんで。」

これもほとんど決まり文句である。
この「せっかく」っていうのがポイントだ。
何がせっかくかはよく考えたら分からないが、とりあえず「せっかく」と言われたら、人は「ああ、そうやな」という錯覚をおこすのだ。何とこしゃくな作戦(笑)。

もちろん、声をかける相手も入念に選ぶ。
大勢の人の中から、通り過ぎる瞬間にその人の身なりや顔つきを見て、瞬時にこの人はお金をいれてくれるか否かを判断するのだ。

もうなんだか、歌とは全く関係の無い世界でしょ。
けど、何度も言うように、やはり歌はある一定以上はうまくないといけないんでっせ。もちろんギターも。
僕の場合はさらに、歌う時に目線まで計算して、情感たっぷりに歌うように心がけている。

あー、めっちゃ長くなってしまったなあ。
けど、まだまだ言いたいことあんねんなあ。まだ続けてもいい?だめ?
次に続く…。

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2006年7月18日 (火)

才能

プロのストリートミュージシャンなどと自分のことを言っといて、じゃあほんとのメジャーデビューなどは目指さないのかと言われるとすごく耳が痛い。

もちろん、この仕事を始めた最初の頃は、いろんな夢や希望があったし、チャンスがないものかと探ったりもしていた。

しかし、何年目からか分かった事。

僕にはデビューするような才能がない!

もちろんこの才能というのは、作詞作曲センスなどのメジャーデビューに必要な能力の事であって、歌を歌うこと自体の能力のことではないのだが、とにかく、デビューできるような能力がないことだけは、自分で悟ってしまったのだ。

僕の周りには、昔から何人かの素晴らしい才能のミュージシャン達がいて、今でも順調に音楽の道をかけあがっている。彼らはもちろん才能だけではなくて、人に見せないものすごい努力を重ねてるし、僕もそれを知っている。
そんな彼らを見てると、もう何もかもレベルが違いすぎるのだ。自分が、ちっちゃくなってしまうぐらい…。

ただ、デビューの才能がないのが分かったと同時に、もうひとつ重大なことに気づいた。

僕には弾き語りで儲ける才能がかなりある!

はじめのうちは、こんなの誰がやったって場所さえ良ければ儲かるんじゃないのと思っていたが、とんでもない!

特に、僕はほぼずっと同じ場所でやってるのだが、同じ場所でずっとやってて、10年間もずっとスランプなしで毎日儲け続けることなんて普通到底出来っこない。(精神的なスランプはいっぱいあるけどねんっ。うふっ。)

とにかく、「音楽才能=弾き語りで儲かる」っていうことでは無いということだ。

じゃあ、僕がどのような事を考え、どのようにして弾き語りをやっているのかというのを、つぎの更新で書いていこうと思う。

今夜は。雨だから外では歌えないの。だから自宅待機。つまり休日。うらやましいでしょ。
けどもちろん今日の収入は0よ(泣)。

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2006年7月17日 (月)

僕の仕事

あのね、うんとね、どういう事かっていうと、とある都市の高級飲み屋街の片隅の道ばたのはじっこのすみっこで、ギター弾きながらマイクなんか使ったりして、40代や50代のおじさん達が泣いて喜びそうな懐かしのフォークソングなぞを歌っちゃうわけですよ。「リクエスト表」なるものを用いて、リクエストに応えたりしながら。

そうすることによって、青春時代を思い出して昔を懐かしんだおじさん達が、僕のギターケースにお金をほり込んでくれるんですね、これが。さらにここは、高級飲み屋街。まるくて硬いお金じゃなくて、四角くってぺらぺらのお金を入れてくれる場合が多い訳ですよ。あの寝ぐせついたおっちゃんが写ってるお札を。
そういう事を、夜9時すぎから、夜中の3時ぐらいまで続けてると、これが結構な額になるんですよ。普通のバイトじゃ絶対に稼げないような額に。あら、びっくり。

もちろん同じようなことを、誰がやっても儲かるかというと、まったくもってそんなことはない。僕はお金を少しでも儲けるために、歌以外にありとあらゆる細かいテクニックを使いながら歌ってるもん。もちろん、歌がある程度上手くなくてはいけないのは大前提だが。

わたくし、たかゆき、もうすぐ30歳
20歳の頃からそんなことを続け、ほんとに10年ほどこれだけで生活し続けています。まったく自慢できることではないんですが、10年も続けてると、ほんとにいろんな、普通じゃ体験できないようなことを体験してきたので、このブログで少しづつでも紹介していこうと思ってる所存でございますでございます。

とはいいつつ、少しづつとか言いながら、今日もう2度目の更新。よーし、どうせ徹夜明け。書けるときにいっぱい書いちゃうぞ!おー!     
やっぱねむい…、もう歳や…。

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はじめまして!たかゆきです。

まずは、自己紹介します。

僕は、日本でもほんとに数少ないプロのストリートミュージシャンなのです。

プロのストリートミュージシャン? なんじゃそりゃ?

うーんと、とにかく、それだけで飯を食ってるということです。しかも10年ほど。しかも全く貧乏せずに。

なんかよく分からんけど凄いでしょ。うん。 まあ、ぼちぼち説明していきますね。

眞鍋かをりさんのブログを見ててなんとなくクリックしてたら、自分のブログが出来てしまってビックリ。
時代は進んでるんやね、時代はパーシャルやね。
せっかくやから、がんばってブログ続けよっと。 

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