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2010年11月25日 (木)

「S」 2

「S」 1からの続き…

 

「この間はどうもありがとう、島田S助です。たかゆきくんはほんとに歌うまいね。またゆっくり話したいから、今度ご飯でも行きましょうね。」

 

「こちらこそ、この間はありがとうございました!しかも、アドレス交換までしていただいて本当に光栄です。是非、今度ご飯をご一緒させていただきたいです。いつでもお誘いください。」

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「夜の世界で歌ってきたたかゆきくんは、きっと色んなものを見てきたでしょうね。でも、なぜあの場所で歌ってるんですか?」

 

「これは、軽蔑されようが何をしようが、本当の事なので言わせてもらうと、あの場所で歌っている目的はほぼ『お金』です。やっぱり、夜の飲み屋街でああいったフォークソングなどを歌っていると、40代、50代のサラリーマンの方々が昔を懐かしんでお金を入れてくださるので、
実は僕は、20歳から今まで9年間あの弾き語りだけで生活してきました。

そして、始めた頃はもちろんそれなりの夢を持って歌っていたんですが、2,3年目以降はその夢も諦め、今では完全にこれは仕事だと割り切って逆に強いこだわりを持って歌っています。

でも、もちろん一生この仕事を続けていくわけにはいかないので、今年の末でキリのいい10年目ということもあり、僕も後1年でこの仕事を卒業し、その後の1年間ぐらいは自分へのご褒美として世界一周放浪の旅をして、日本に帰ってきてからまた新しい人生をスタートさせようと考えています。」

 

「世界一周いいね!きっとその20代の10年間は、誰にも真似できないかけがえのない経験でしたね!そして、男は30代になったらがむしゃらに頑張って、40代になったら少しのお金とたくさんの仲間を持っているのが一番だと思います。これから人生一緒に考えていこうね!」

 

 

 

こうして始まったS助さんとのメール交換。

S助さんはほんとにマメにメールをくださる方で、

それからというもの、結構な頻度でメールのやりとりを続けさせてもらった。

 

そしてそれは、

僕にとって、まるで夢のような日々でもあった。

 

 

だって、みなさんも考えてみてほしい。

自分の小さい頃から憧れのスーパースターとのメール交換である。

しかも、時には、家でS助さんが出演しているゴールデンタイムの番組を見て大笑いしている、まさにその時なんかにも、S助さんからメールが届いたりするのである。

生粋のテレビっ子の僕からすると、それがどれだけ現実離れした体験であることか…。

とにかく、その興奮たるや、生半可なものではなかった。

 

僕はいつも、着信音と共に携帯のサブディスプレイに「島田S助さんメール」という文字が表示される度に、

現実から一気に別世界に飛んでしまい、

普段自分が携帯メールを打つのが大の苦手だということもすっかり忘れて、全神経を集中させて夢見心地でメールを返信するのだった。

 

 

そんな中でも、

特に僕を魅了していたのが、初めにS助さんが書いてくださった、

「これから人生一緒に考えていこうね!」

という言葉。

 

あのS助さんが、俺の人生を一緒に考えてくれるのか…。

 

それからしばらくは、その言葉を思い出す度に、僕は熱に浮かされたような気持ちになった。

 

 

 

僕は、周りの友達にもとにかく自慢をした。

誇らしくて仕方がなかったのである。

世間からは認められない、こんな仕事を続けてきた俺が、こんなにすごい人と友達になったんだぞ!

って。

いや、こんな仕事を頑張って続けてきたからこそ、こんなにすごい人と友達になれたんだぞ!

って。

 

しかも、僕は勝手に運命さえも感じていた。

今までたくさん苦しんできたことは、全てここに行きつくためのものだったんじゃないだろうかと。

だって、いつもの僕なら、

「なんで俺みたいなやつなんかと、友達になろうと思ってくれたんだろう?」

って思うところも、今回ばかりは、

「これは全て運命で、出会うべくして出会ったんだ。」

などと、本気で考えていたんだから…。

 

みなさんには、

「芸能人とメル友になったぐらいで、何をそこまで大げさな。」

と笑われるかもしれないが、

僕にとって、この出会いはそれほど大きなものだったのである。

 

 

 

ただ、

それでパニック障害がすぐに良くなっていくっていうことはなかった。

仕事でも、プライベートでも、頻繁に発作は起こっていたし、

相変わらず投薬治療も続けていた。

 

でも、僕はもう決して後ろ向きではなかった。

僕の中では、

S助さんと友達になれたことで、

これからは全てがいい方向に向かっていく気がしていたし、

もしかすると、これからの人生自体が大きく変わるかも、

とさえ考え始めていたから。

  

だから、パニック障害のことも、あえて自分からS助さんには言わなかった。

 

 

 

とにかく、

そんな地に足がつかないような浮ついた日々が、しばらく続いたのである…。

 

 

「S」3につづく…。

 

 

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