中編からの続き…
そして、
看護婦さんと手をつないでルンルン気分になったのもつかの間、
さっそく僕の右眼が、まばたきが出来ないように、なにかよく分からない器具でガッチリと強力に固定され、
僕の右眼は、これでもかっていうくらいに大きく見開いた状態になりました。
キャー!恥ずかしいー!
あんまりマジマジ見ないで…。
(僕は強迫観念が強い人間なので、手術前には、
「まばたきをしちゃダメだ、まばたきをしちゃダメだ。」って思いすぎて、逆にまばたきがどうしてもしたくなって、それでパニックになってしまったらどうしよう…
なんてすごく恐れていたんですが、実際には、ほんとにガッチリと強制的に固定されてしまうので、結局手術中一回も、まばたきのことを考えたことすらありませんでした。
だから、もし同じようなことを心配されている方がいらっしゃったら、その点は安心されていいと思います。)
ただ、あまりにも強力におめめを開かれるもんだから、その器具の圧迫感というか何というか、それがちょっと痛かったです。
まあでも、それは鋭い痛みとかではなくて、あくまでも、ただただ皮膚を引っ張られ…
なんていってるうちに、
すぐさま、助手さんの手によって、レーザー君がさらに僕の右眼スレスレの位置まで接近してきます。
わーわーわー!
つ、ついに始まるのーー!?
この時、僕の心臓は、もうはち切れんばかりに高鳴って、この日一番のピークを迎えたんですが、
同時に僕は、なんとか緊張を少しでも緩和させとようとした結果、
なぜだか、今手をつないでる看護婦さんの指を振りほどき、
それを、
全ての指を絡ませる、いわゆる「恋人つなぎ」に握りなおそうとしました。
自分でもなんでそんなことをしようとしたのか謎なんですが、なんとなくその方が安心できる気がしたんです。
Q、あなたは変態ですか?
A、ええ、私は変態です。
しかも、お母さん、これは実話です…。
でも、敵もやはり百戦錬磨。
あっという間に僕の「恋人つなぎ」は振りほどかれ、
すぐに元の「恋人じゃないつなぎ」に握りなおされてしまいました。
しかも、もう片方の手で、「ダメよ。」って感じでポンポンって叩かれる始末…。
…わー、なんか俺、超恥ずかしー!
ずっと好きやった人に、フラれた気分やー!
さあ、こんな短い間にプチ失恋を味わった僕に、もう怖いものはありません。
いつでも、かかってこいや!このレーシック野郎!!
と、
言いたいところですが、やっぱり怖いものは怖いです。
「さあ、フラップ(ふた)を作ります。
なるべく光の中心を見ててくださいね。」
そう言われて、僕と元恋人(看護婦さん)との「恋人じゃないつなぎ」にも思わず力が入ります。
ただ、ここからのことは、あまりうまく言葉で説明する自信がないんですが、なるべく頑張ります。
えっと、目の前のレーザー君は、近すぎるせいで、なんだかどこかのSF映画のミニチュアセットを見ているような情景で、
なんというか、とにかく光の輪っかが点滅してる感じ?(←説明下手!)
そして、レーザーによるフラップ作成の時は、明らかに自分の目ん玉の表面がスライスされているのがハッキリと分かって、
でも、あんなたった2滴の麻酔でもちゃんと効いるようで、痛みは全く感じず、
ただ、表面がめくられた瞬間から、一気に焦点がぼやけた感じになって、まるで水の中にいるような全体が滲んだ世界になりました。
それでも、まったく何も見えなくなるというわけではありません。
(「先端恐怖症でも、レーシックは怖くないですか?」という質問を頂いたんですが、今書いたように、手術は刃物ではなくレーザーで行われますし、その後は、焦点が完全にぼやけるので、先端恐怖症の方でもそんなに心配されることはない、と僕は感じました。)
「はい。綺麗にフラップができましたよ。」
そう言われると、次はいよいよ、ふたを開けた状態で、エキシマレーザーと呼ばれるものを照射して、それで近視や乱視を治療するんですが、
不思議とこの頃になると、緊張感も幾分かマシになってきます。
やっぱり、さっきのスライスが思ってた以上に痛みを感じなかったっていうのが大きいんだと思います。
まあでも、せっかくなんで、元恋人(看護婦さん)の手は強く握ったままですけどね。(←やっぱり変態!)
ただ、このエキシマレーザー、なかなかのくせ者です。
こちらも、痛みは無いんですが、
とにかく、「音」と、「匂い」がハンパないんです!
「音」っていうのは、バチバチバチバチ!といった、ものすごい大きなレーザー発射の音。
ただ、痛みは無いと言いましたが、レーザーが小まめに眼に当たってる感触はわずかながらにあって、とにかく大きな音で眼を連打されてる感じ。
そして、もう一つの「匂い」っていうのは、
なんと、自分の眼が焦げてる匂いなんです!!
ひーー!!
俺の眼がこんがり焼かれてるよーー!!
どうか、ミディアムレアでお願いね☆
って、やかましいわ!!
でも、これ、ほんとなんです。
エキシマレーザー照射は計20秒ぐらいあるんですが、
その間ずっと手術室の中には、大きな音と、僕の眼が焦げた匂い(なんというか、あまり嗅いだことのないような不思議で独特な匂い)が充満してるんです!
なんとも奇妙な体験です。
そして、20秒間、この「音」と「匂い」に見事耐え切ったら、
突然、精製水のようなもので目の中を洗浄され(冷たい!)、
ビックリするぐらいあっという間にフラップが元に戻されると、
ぼやけていた焦点も一気に戻り(よく見えるかどうかまではまだ分からない)、
これで右眼の手術は完了です。
手術室に入ってから、ここまでたった2,3分。
ほんとにこれだけで、今まで20年以上何かと不便な思いをしてきた僕の近眼(両眼とも0.1)とおさらばできたというんでしょうか。
半信半疑ながらも、この後、左目も全く同じ工程を踏み(もちろん、手はつないだまま
)、
最後にレザー君が元の位置に戻されると、先生が肩をポンと叩いてくれました。
「はい、お疲れさまでした。
これで、全部無事に終わりましたよ。」
わー、ほんまに終わったんや!
なんて、あっけない!
ほんとに、全部合わせても5分ぐらいだったんじゃないでしょうか。
握られていた手もついに離されると、
僕は上半身を起こし、周りを見渡しました。
んー、見えているような、見えていないような、正直まだ視界がぼんやりしていてよく分かりません。
ただ、周りにいる人達の顔は判別できるぐらいのレベルです。
よし、ここで、手をつないでくれていた元恋人(看護婦さん)だけには、ちゃんと男らしくビシッと言ってやらなきゃいけません。
「ねー、ねー。
俺、頑張ったでしょ?頑張ったでしょ?」
…いやー、人間って、
相手は大きなマスクをしてるのに、苦笑いしてるっていうのだけはハッキリ分かるもんなんですね。
これも、レーシックでよく見えるようになったおかげかな☆
さて、この後、手術室を出ると、
まず、フラップを安定させるために、リカバリールームって呼ばれる暗室で、リクライニングソファーに座って眼を閉じた状態で15分くらい休憩します。
そして、先生による検診があって、眼薬と保護用メガネ(自分が今まで使ってたメガネを、手術中にレンズだけ入れ替えて度数の無い保護用メガネにしてくれる)を受け取ると、それをかけてさっそくもう帰宅OK。
この頃になると、まだ完全にクリアとまでは言いにくいんですが、それでも遠くの時計の針とかが読み取れちゃいます。
うわー!ほんとに見える!
すごい!すごいよ、マサルさん!
しかも、僕はさっきの診察の時に、家に帰るまでの術後の痛みを恐れて、念のためにもう一回だけ手術前に注したのと同じ点眼麻酔を注してもらったので、
この時点でも、眼の痛みは全くといっていいほどありません。
もー!なんやってん、さっきの待合室の男の子は!
全然痛くなんかないやんけー!
何が、レモン10個こすりつけたみたいな痛みじゃ!
人をビビらすのもええ加減にせえっちゅうねん!!
そして、この後僕は、家まで電車で3駅の距離を、あえて45分ほどかけて歩いて帰りました。
それは、この時がまだ夕方前だったので、せっかくなので街の風景を楽しみながら帰ろうっていうことだったんですが、
いくら保護用メガネ越しとはいえ、やっぱり裸眼で見ることのできる風景は、いつもとは全く違う素晴らしい眺めでした。
そして、帰宅。
この日一日は、テレビも、パソコンも、本も止められていたので、手持ち無沙汰の僕は、とりあえずベッドに横になりました。
しばらくの間、天井の木目を見てみたり、わざと遠くの本棚を見てみたり、壁掛け時計を見てみたり、地味な喜びを噛みしめます。
しかし、この後、すぐに状況は変わっていきました。
麻酔が切れたみたいなんです。
ん?と思った時には、もう遅く、
いきなり眼を開けているのが辛くなってきました。
そして、仕方がないので眼をつぶってみても、またしばらくすると、今度は眼をつぶっているのも辛くなってきます。
さらに、10分もすると、何も見えなくなるほど涙がじゃんじゃん出てきて止まらないし、
眼をつぶっても痛い、開けても痛い、とにかく痛いんです!
開けても閉めてもだめなら、じゃあどうすりゃいいの!
しかも、この痛みは、なんと説明していいやら、鋭い痛みとかではなくて、眼の内側から来るような鈍ーい嫌な痛みなんです。
そーやなー、例えて言うと、
ちょうど、レモン10個を眼にこすりつけたみたいな痛み!
とにかく僕は、今からこんな痛みがずっと続くのかと思うと、ほんとにどうしていいのか分からなくなって、
とりあえずベッドから降りて、部屋の中を歩き回りはじめました。
一度、この今の痛みをブログに書いてやろうと思って、パソコンの電源を入れたりもしたんですが、
とってもじゃないけど、眼が痛くてちゃんと開かないし、涙で細かい文字なんて全く読めないし、それもすぐに諦めました。
しかも、もらった目薬を注そうにも、同じく眼がちゃんと開けないので、これもなかなかうまくいきません。
わーん!!
やっぱり、レーシックは恐ろしいよー!!
生き地獄じゃーー!!!
結局、僕は1時間ぐらいもだえ苦しんだのち、
痛みに疲れ果てて、いつのまにかベッドに倒れこむように眠ってしまっていました。
そして、眠ること約3時間。
このたった3時間の間に、僕の眼の中で何が起きたのかは分かりませんが、
ようやく目覚めた僕を待っていたのは、ビックリする事実でした。
目覚めた瞬間、さっきまでの痛みがどこへやら、全く痛みは消えていて、
眼を開けると、すべてのものが手術直後とは見違えるくらいにハッキリ・クッキリと綺麗に見えたんです!
ほんとに何もかも!
わー!
見えるー!見えるよ、マサルさん!!
一体、寝てる間に何が起きたんか、よー分からんけど、
やっぱレーシックってすげー!!
そして、これが、俺が10歳の頃まで見てた、
あの本物の裸眼の世界なのかー!!
いやー、最高や!
神戸クリニックありがとう!アイレーシックありがとう!先生ありがとう!レーザー君ありがとう!待合室の男の子ありがとう!太陽さんありがとう!草木さんありがとう!宇宙さんありがとう!
そして、なにより、元恋人!
いい夢見させてもらったぜ!
あばよ!!
そして、
その時点から、
3ヶ月後の今日まで、ずっと見えっぱなしの僕なのです。
(両目とも、1.5以上)
めでたし、めでたし。
お・し・ま・い
P.S.
はっきり言うと、あれから3カ月間、細かいことはまだまだたくさんあったんですけど、
これ以上書いてるとキリが無くなっちゃいそうですし、
また、そこまで重要なことでもない気がして、今回は思い切ってここでバッサリと切っちゃいました。
でもまあ、全体的に予後経過は良好ですので、ご心配は無用です(^-^)
そして先日、最後の3ヶ月検診に行ってきたんですけど、
眼の状態もすごく綺麗で、世界一周も何の問題もないということでした。
わーい!
また一歩、夢へ大きく前進したー!!
さて、最後に、
今回僕は、世界一周という大きな夢のためにレーシックを受ける決意をして、おかげさまで今は快適な裸眼生活を送っているわけですが、
(特に、コンタクトやメガネを外さずにそのまま寝れることや、起きてすぐに物が見えることが嬉しい)
じゃあ、近視のみなさん全員に、そのレーシックを強くおすすめするかというと、
そこの部分は正直微妙なところです。
もちろん、何か仕事上の理由や、はっきりとした目的があれば別ですが、
今現在、コンタクトやメガネの生活にそこまで困っていないのであれば、やっぱり、値段のこともありますし(もちろん安いレーシックもありますが)、まだそこまで世界中に浸透も確立もしきってはいない医療行為だということも考えると、
ハッキリ言って、今すぐに強くおすすめするっていうものでもないと思うんです。
まあでも、これはあくまでも、「強くはすすめない」というだけであって、もちろん、僕もレーシックを受けて今は快適さを感じているわけですし、実際にレーシックがそんなに危ないものだとも僕は思っていないので、
後はみなさんが、その状況に合わせてご自由に検討されて、
とにかく、
今回の体験記が、少しでも何かのお役に立てば、それが一番嬉しいです。

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