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2010年8月 4日 (水)

僕が今歌ってる場所の近くには、外国の方達がよく集まるようなバーがあるんだけど、

おととい(月曜)の仕事中、一人の大分酔っぱらった西洋人の男性(30代後半・ハゲ頭)がフラフラとそこからやって来て、僕の横にデンっと腰かけた。

ただ、その時はちょうど他のお客さんに対して歌を歌っている最中だったし、正直酔っぱらってる外国人と絡んでもロクなことがないことは今までの経験上分かってるので、僕は意識的にほぼ彼を無視するような形をとった。

そして、一曲歌い終わって先ほどのお客さんが立ち去ると、案の定彼は真っ赤な顔で、僕にロレツの回らない英語で話しかけてきた。

それでも僕は、無表情のまま、ほぼ彼の会話をスルー。

だって、もちろん少しは悪いなとは思うけど、僕はほとんど日本語の歌ばっかり歌ってるわけだし(しかも古い曲)、こちらも商売としてやっているので、そんな泥酔の外国人さんの相手をしているような余裕はない。

こういう時は、無視が一番。

酔っ払いっていうのは、相手にされないのが一番辛いから、無視を続けていると、大抵はすぐに飽きて帰ってしまうのだ。

 

でも、このMr.ボールド(僕が勝手につけた名前)、なかなかしぶとい。

僕がわざと次の歌も歌わずに、無視したままゆっくりチューニングやエフェクターの調整などをいじって時間を稼いでも、チラッと見ると、まだずっと横でグデングデンのままよだれを垂らして座っているのである。

 

うーん、どーしよー。

商売上、このまま何も歌を歌わんわけにもいかんしなあ…。

よし、じゃあアレでも歌うか。

こういう歌なら、さすがに外国人のボールドは退屈せざるを得んやろう。

フフフ。

必殺、日本のこてこてフォークソング攻撃じゃー!

 

というわけで僕は、同時に他のお客さんを呼び込む意味も込めて、この歌を演奏した。

(注;携帯からは見れません)

「22才の別れ」 風

 

 

…ただ、結果は予想外だった。

なんだかボールド、どうしたことか、この歌をえらく気に入ったみたいで、歌の途中に、

「グレート!」

とか、

「ブラボー!」

など、大きな奇声を上げ始めたのである。(苦笑)

 

あちゃー、作戦失敗や。

ますます、めんどくさいことになってもうた…。

 

そう思って苦笑する僕を尻目に、さらにボールドは1ドル札を無造作にギターケースに投げ入れた。

 

はぁ…、しかも1ドル札…。

やっぱり、めんどくさい…。

 

 

なんだか、こう書くと、みなさんには、

「1ドルとはいえ、せっかくお金を頂いたのに、めんどくさいは何事だ!生意気だ!」

なんて思われるかもしれないけど、

いくら軽蔑されようとも僕は本当の事を書くしかない。

これが僕の仕事なのである。

昔から言ってきたことだが、僕は何も誰かを喜ばそうとか、自分を表現したいとかで外で歌っているわけではなく、目的はほぼ「お金」だ。

そのお金で生活をしていかなければいけないのである。

そんな中やはり、限られた時間の中で、一曲につき100円なんてお金をいくら積み重ねていっても、生活なんてとても出来ない。

やっぱり、常に一曲につき1000円なり500円なりのお金を頂くことを目指して歌わなければいけないのである。

そういった現状の中、目の前を通り過ぎる間に投げ入れられる小銭ならまだしも、横にガッツリ座った泥酔外国人が投げ入れる1ドル札などで、やっぱり僕には喜びなどは感じることができない。

しかも、1ドル札っていうのは、両替するには小さすぎるし、かといっていつかのために置いておくほどのものでもなく、日本に住む限りはすごく扱いにくいお金で、そういった意味でも、僕には少しめんどくさいのだ。

 

< さあ、僕があまりにも正直にぶっちゃけすぎて、みなさんが完全にドン引きしているのが手に取るように分かりますが(苦笑)、

ここで誤解してほしくないのは、これはあくまでも僕の仕事としての面からだけ見た物凄く自分勝手なエゴの話であって、

ちゃんとした客観的な目で見れば、彼は別に、僕にとやかく言われるような悪いことをしているわけじゃなくて、むしろストリートミュージシャンにお金を入れてあげる優しい人なんだ

っていうことぐらいは僕だってちゃんと分かってるんだよっていうことです。

そしてもちろん、自分の歌がそれほどの価値があるものだとも思っていませんよ。

特に今の僕の歌は。

それでも、よりたくさんのお金を目指さなければいけないっていう、

あくまでもこれは、商売人としてのぶっちゃけトークです。

誤解しないでくださいね。

これからも正直な気持ちを書けるブログでいたいので、抗議メールとか送ってこないでね。(笑) >

 

 

さて、そんなこんなで、「22才の別れ」を歌い終えたんだけど、

やっぱり、1ドルとはいえ、お金を入れてもらったことに変わりはないので、一応僕は無表情のままボールドにも頭を下げておいた。

すると彼は、未だ興奮気味によだれを垂らして、「グレート」だの「ワンダフル」だの、僕を称賛しつづけている。

何なんだ、この酔っ払い外国人は。

何をそんなに、言葉も分からない日本のフォークソングに感動することがあるんだ。

どうせ、酔っぱらい過ぎて、訳が分からなくなってるだけだろ?

しかも、もしもほんとにそんなに良かったんなら、もっとお金をおくれ!

称賛するなら、金をくれ!(笑)

 

そして、このMr. ボールド、これから一体どう対処すればいいのか。

なんか、こんな酔っ払いの外国人が横に座って大きな奇声を上げていると、他のお客さんが寄り付いてくれそうもないし、

かといって、そんな彼に、数少ない英語の曲のレパートリーを無理して歌う気にもなれない。

うーん。

やっぱり、めんどくさい…。

 

と、

ちょうどその時、例のバーから、お連れの方だと思われる外国人女性が、ボールドを連れ戻しにやって来た。

「もう、あんた、こんな所で何やってんの!」

みたいな感じで。

こりゃ、ラッキーだ。

ようやく、この「めんどくさい地獄」から解放される。

そして、ボールドは嫌々ながらも、女性に引っ張られてフラフラと立ち上がったんだけど、

最後に、どうしても僕に握手を求めてくる。

まあ、これで帰ってくれるなら、最後ぐらいいいかってことで、僕も手を出してガッチリと握手に応じた。

「グッドラック!」

真っ赤っかながら、あまりにも満面の笑顔でボールドは言うので、僕もつられて、

「ユー トゥー!」

と笑顔で返してしまった。

ともかく、こうして、千鳥足のボールドは元いたバーにフラフラと連れ戻されていき、僕は無事に仕事を再開できたのである。

 

…あー、めんどくさかった。(心からの4回目)

       ↑
今日はほんとブッチャけすぎ!

 

 

 

 

 

と、まあ、おとといの僕の仕事場では、そんな一コマがあったんですけど、

実は、話はこれだけでは終わりませんでした…。

 

 

それは、僕が仕事を終えて家に帰ってきてからのお話。

 

まず、いつものように自転車(ベンツ君)にくくり付けた荷物を全部家の中に運び終えると、僕は居間に入り、ソファーにドカっと腰を下ろしました。

「あー、今日も疲れた…。」

そして、部屋着に着替えるために、ジーパンのポケットから携帯やら何やらを取りだしている時に、ふと思い出したんです。

そーいえば、あの時の1ドル札って、ボールドが帰ってすぐに、ジーパンの後ろポケットに突っ込んだよなあ、って。

そして、案の定、後ろポケットに適当に突っ込まれていたそのお札を広げた時、

僕は腰が抜けそうになりました。

 

 

Img_3610s_2

 

 

Img_3611s

 

 

え、え・・・!?(汗)

  

ひゃ、ひゃ、100ドル札やん!!!!!!!!!!

 

 

わーわーわーーーー!!!

嘘やろーーーーー!!!

きゃーーー!!!

全然気付いてなかったーーーー!!!!

どーしよーーー!!!!

 

だって、

だってさ、普通、外国人(アメリカ人)がドルを投げ入れたら、それは1ドル札だっていう先入観があるじゃん?

何の疑いもなくさ。

実際、今までだって何度も1ドル札を入れられたことがあるわけだしさ。

しかも、アメリカドル札って、全部大きさが同じだしさ。

肖像画も、よく見たら違うけど、パッと見はほとんど同じ人だしさ。(?)

 

Img_3613s

 

そりゃ、まさか100ドルだなんて思いもせずに、適当にポッケに突っ込むじゃん。

相手にだって、めんどくさそうに適当にあしらっちゃうじゃん?

…ダメ?

…怒る?

 

うわーー!!!ごめーーん!!!!

時間よ、戻れーーーー!!!!!

 

っていうか、

あのMr.ボールド様は、いくら泥酔していたとはいえ、ほんとに感動してくださっていたんですね!!

だから、あんなに興奮されていたんですね!!

あー、今なら何でも歌わせて頂くのに!!!(←最低!)

 

っていうか、

ボールド(ハゲ)なんて失礼なアダ名を付けてしまったこともすみません!!

あなたは、今思い返してみると、確か、ボーボーでした。

ええ、それはもう、ボーボーでした。

 

というわけで、Mr.ボーボー大天使様、

大変ベタですが、今から僕の現在の感謝の気持ちをこの100ドル札で表したいと思います。

ワン、

ツー、

スリッ。

 

 

 

 

 

 

 

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