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2009年8月 1日 (土)

僕の好きな先生

こういう系統の病院っていうのは、他のどんな診療科よりも、

先生との「相性」

が大事になってくると思う。

その点、僕はこの先生が大好きだ。

40代前半ぐらいかな。

まん丸顔で、童顔なんだけど、それに反して頭髪はちょっとだけ残念な感じで(←失礼!)、

ちょうど、チキンラーメンのひよこちゃんみたいなイメージ。

 

5_2

 

僕は心の中で勝手に「ひよこ先生」って呼んでいる。

 

ひよこ先生はいつもほんとに丁寧に僕の話を聞いてくれて、なおかつ僕の事を認めてくれる。

僕のうつは、今まで僕が誰の力も借りずに限界まで頑張ってきた証拠だ、と言ってくれる。

 

そして今回僕は、最近少し調子がいいことや、それでも歌を歌って寝込んでしまったことなどを話した。

先生が言うには、

それはようやくほんの少しだけ回復の芽が出てきただけだから、今はまだじっと我慢してた方がいいということだった。

もう少し分かりやすく言うと、

ほんの少し充電が出来ただけなのに、すぐに焦って放電しちゃうからまたバッテリーがイカれちゃうのであって、

今はやっと充電を始められる段階にまで来たんだから、後は焦らずフル充電までじっくり待とう。

ということらしい。

さすが、分っかりやすーい、ひよこ先生☆

とにかく、僕の仕事復帰にはまだ時間がかかりそうだ。

 

 

あと、もうひとつ問題が…。

実は僕、明日高校時代の友達の結婚式の2次会に招待されている。

その友達や周りの人間は今の僕の状況を全く知らないので、行こうかどうかずっと悩んでいるんだけど、やっぱり行くとなるとかなりの放電になっちゃうんだろうか。

だって、そんな大勢の人達と会うのはすごく久しぶりのことだから。

それをひよこ先生に相談すると、

「行きたいと思うなら行ってもいいとは思うけど、そこで絶対たかゆき君のサービス精神を出してしまわないようにね。

みんなを盛り上げようとか、無理に元気を装おうとかは駄目だから。

行くなら、あんまり目立たないようにそっとね。

それでなおかつ、次の日は一日寝込んでしまおう、ぐらいの覚悟でね。」

と言っていた。

 

うーん、余計迷うなあ。

ただ、2次会とはいえ結婚式なんて一回っきりのもんだもんなあ。

昔は仲良かったし…。

けど、久しぶりなのに目立たないようにそっとなんてできるのか?

うーん、ほんとどうしよう。

よし、もう明日起きてからその時の調子で決めよう。

おい!そんなんでいいのか?友よ!

 

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2009年8月 2日 (日)

いざ、出陣

残念ながら、今日は調子が良さそうです。

よし、じゃあせっかくのお祝いの席だから、後悔しないように行くとしますか。

今日の為に一応スーツもクリーニングに出してたし、

わたくし、ちゃんとオメカシして行ってまいります。

 

わあ、病院以外では随分久しぶりのちゃんとした外出や。

ちょっと緊張するなー。

電車だと、歩く距離とか人ごみがちょっとしんどそうなので、生意気にもタクシーで心斎橋に向かいたいと思います。

みんな、どうか僕の無事を祈っててね☆

よし、待ってやがれ、新郎よ!

 

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2009年8月 3日 (月)

そして僕は途方に暮れる

地下の薄暗い会場に入ると、そこは懐かしい顔や知らない顔でごったがえしていた。

同級生の2次会だけあって、ほとんどが同世代の人達のようだ。

僕は知り合いとひと言ふた言挨拶を交わし、なるべく目立たないように端の方のテーブルに腰掛けた。

しかし、すぐに入口から昔の友達数人が入ってきて、僕の隣の席に陣取ってしまう。

 

「おー、たかゆき!久しぶりやなあ、元気しとったか?」

 

「おう、まあぼちぼちな。」

 

「仕事の調子はどうや?まだアレ続けてんのか?最近景気悪いんちゃうんか。」

 

「あ、うん。まあ何とかぼちぼちな…。」

 

「けど、お前まだあんなこと続けていくつもりなんか?将来どうするつもりやねん。」

 

「え、まあ、そのうちな…。」

 

そんな中、ウェイターが僕達のテーブルにやって来て、飲み物のオーダーを尋ねる。

みんなが口を揃えてビールを注文する中、僕だけはジンジャーエールを注文した。
(今服用している薬の関係でお酒は止められているので)

 

「え?なんでや。お前飲めへんのか?」

 

「あ、ちょっと今お酒やめててな…。」

 

「なんやー、ノリ悪いのー。」

 

 

やがてパーティーが始まり新郎新婦が入場すると、会場は人々の笑顔や歓声に包まれる。

僕はというと、人の多さと目の前の会話の波に押されて、もうすでに参りはじめている。

家を出るまでの調子の良さがまるで嘘のようだ。

(もちろん、お祝いしたい気持ちは重々にあるんだけども…。)

 

 

20分後、遠くでは知らない人がマイクに向かって挨拶をしていて、こちらのテーブルでは新婦の女友達も含め、ますます会話に花が咲き、そこらじゅうに言葉が飛び交っている。

「この前、うちの子供が熱出してさあ・・・」

「もう婚活も疲れてきたわあ・・・」

「俺、今度車買い換えんねん・・・」

「カズコんとこ、もう3人目生まれるらしいなあ・・・」

「これ終わったら、いいキャバクラ知ってるから、そこ行こや・・・」

「お前んとこ、家のローンってどうしてんの?・・・」

 

僕は会話の邪魔をしないように適当に相槌を打ちながらも、改めて時の流れの早さや一般社会とのギャップ、さらには自分がここ10年以上何も変わっていないことへの後ろめたさや情けなさを感じていた。

 

ああそっか、俺ってもう今年で33歳やねんなあ…。

それやのに、何してるんやろう、俺だけ…。

 

そんなことを考えているうちに、僕は場を盛り上げるどころか、どんどん具合が悪くなり、うつむいてしまうことの方が多くなっていった。

 

「なんや、お前、今日暗いぞ。大丈夫か?」

 

「お、おう、なんか今日体の調子が悪いみたいやわ。風邪でもひいてるんかな。
ちょっとトイレ行ってくるわな。」

 

そう言って僕は、逃げるようにトイレに向かう。

トイレに入って少しホッとしたのもつかの間、今度は洗面台の鏡に映る自分の姿を見て悲しくなってしまった。

思った以上にやつれて、老け込んだ僕がそこには居たから…。

近頃はずっと、こうしてまじまじと鏡を見るなんてことも無かったから、その変化に驚いたのだ。

ああ、俺もやっぱりほんとに歳をとってしまったんだなあ…。

 

頭がクラクラして、気分が悪くなり、だんだん立ってることすら辛くなってきた。

けど、あの席に戻って後2時間近くも過ごすなんてことも、もう想像できない。

ダメだ。

限界だ。

 

トイレを出ると、僕は席には戻らず、一直線に歓談中の新郎新婦のもとに向かい、小声で新郎に、 

「ごめん、今俺風邪で体調が悪いから、今日はこれで帰るわ。
結婚おめでとう。またゆっくりお祝いするわな。堪忍な。」

とだけ告げ、そのまま会場を後にした。

 

 

地上に出ると、そこは夕方の心斎橋。

こちらも人であふれかえっている。

僕は一度だけ大きく深呼吸をすると、人ごみを縫うようにゆっくりと歩きだした。

さあ、どうしよう。

頭がうまく働かない。

帰らなきゃいけないのは分かってるんだけど、タクシーを呼び止めることすら今はわずらわしい。

とにかく、あてもなく歩いた。

しばらくすると、あのテーブルにいた一人の友達から携帯が鳴った。

 

「あ、もしもし、たかゆきか?お前どこ行ってん。」

 

「あ、ちょっと、具合が悪いから、今日は帰るわ…。」

 

「え?どうしてん、お前。まだ始まったばっかりやぞ。大丈夫か?」

 

「うん、ごめんな。また連絡するわ…。」

 

電話を切ると突然、強烈な虚しさと孤独感が僕を襲った。

 

何してるんやろう、俺…。

何してるんやろう…。

 

涙がじゃんじゃん出てくるので、それをぬぐいながら、それでも僕は人ごみの中をフラフラと歩き続けた。

そしていつのまにか降り出した雨をきっかけに、僕はようやくタクシーを止めて家路に着いた。

 

家に戻ると僕は、そのままスーツ姿でベッドに倒れ込んだ。

そして眠った。

ただ、眠った。

 

 

 

P.S.

みなさん心配ご無用、大丈夫です。(o^-^o)

もういっぱい寝たから。

今回は予告もしてたし、ただ記録として残しておきたかっただけです。

 

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2009年8月13日 (木)

私信

最近は、やらなきゃいけないことや考えなきゃいけないことが色々重なっちゃってちょっくらダウン気味です。

そんな中、ここ数日は隙を見計らって、たまってたメールに少しずつお返事をさせてもらっていました。

ただ、

10億通来てた中の、ようやく9億9999万9999通まで返したはいいんですけど、あと1通だけ、どうも会社のメールアドレスから送ってくださった人がいて、

おそらく仕事中に送ってくださったのかもしれませんが、そのままそのアドレスにお返事すると、仕事をサボってたことがバレちゃうんじゃないか(笑)とわたくし勝手に心配になったもんで、

その7月23日(火)14時44分の有限会社U様からのメールにだけは今日この場でお返事させてもらおうと思います。

(勝手なことしてすみません、他に方法が思いつかなかったので…。)

えっと、その方のお名前は書かれてなかったので、

ここでは便宜上、牧瀬里穂さんとさせて頂きます。(なんで?)

 

「はじめまして、牧瀬里穂さん!!
お返事遅くなってしまってすみません。

わー、わざわざ捜してくださってたんですね!
こちらこそとっても嬉しいです。

いや、ブログランキングからはずっと居なくなってはいないんですが、多分見落としちゃったのかもしれませんね。
けどわざわざネットで検索してくれただなんて、ほんと光栄です。

そうなんです、最近はちょっとだけ元気がないんですが、こういうメールを頂くとすごく幸せな気分になります。
応援してくださってありがとうございます、牧瀬里穂さん。

いやいや、僕の歌を聴きに来ることが夢のひとつだなんて、そんなことは夢にするようなことではありません。
ほんと、そんな大したもんじゃないんですから。
多分牧瀬里穂さんは、僕のブログでの言葉のマジックに騙されてるだけです。(笑)
けど、そのありがたいお気持ちだけは頂いておきますね。

はい、いつでもメールは嬉しいですよ。
今度は会社のアドレスから送らなくてもいいように、メールフォームも変えておきました。
どうもお手数おかけしました。
どうぞ、これからはお気軽に。

そして、牧瀬里穂さん。
NIGOさんとの新婚生活はどうですか。

僕、中学生の時牧瀬さんの大ファンだったんですからね。
いや、大ファンというか、完全に恋してました。(笑)

そんなドン引きしないでくださいよ。
だって、男子校だったんだからしょうがないじゃないですか。
そんな多感な時期に、誰に恋しろっていうんですか。
周りに女性がいないなら、
もう、テレビの向こう側とか、雑誌の向こう側に本気で恋するしかないじゃないですか。
ラジオを聞く時なんかはいつも僕一人に向けて喋ってるんだと妄想してましたよ。
「MIRACLE LOVE」の‘目と目が合ったらミーラクール♪’っていうとこも、僕のことだと信じてましたよ。
映画「幕末純情伝」で男装されてた時は少し悲しかったですよ。
「ヒューヒューだよ!」の時は僕もヒューヒューでしたよ。
そんな、
決して報われない恋でしたよ。
どうか僕の青春時代を返してください。(笑)

牧瀬さんも今後もしお子様が生まれたら、決して男子校には入れないであげてくださいね。

とにかく、今回はメールありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!

     2009.8.13  たかゆき       」

 

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後半はただの独り言です。
メールをくださった優しい方、なんか色々ごめんなさい。

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2009年8月21日 (金)

怪談「傘女」

(注;今回、久しぶりに長いです。)

 

僕の家はマンションの1階の角部屋なので、ベランダがマンションの狭い裏庭に面しています。

その裏庭は、

平日の昼間なんかは、たまに昼休みの高校生数人がどこからかそこに入り込んできて隠れてタバコを吸ったりするような、

そういう表通りからは少し外れたほんとに狭い裏庭なんですが、

一応はそこもマンションの敷地なので、基本的に部外者は立ち入り禁止ということになっています。

まあでも、高校生がタバコを吸ってるぐらいは僕も気にはならないので、そんな時は特に何もせず放っておいてるんですが、

それでもさすがにあんまりうるさい時だけは、髪の毛ボサボサのままベランダに出て行って、

「泣く子、いねーがあー!?」

などと…、

あ、違う、

「なあ自分ら、一応ここ人住んでるんやんか。
そんで俺、夜から仕事やから今は寝なあかん時間やねんな。
だから悪いけど、ほか行ってしゃべってくれるか。」

などと、彼らを追い払ったりもします。

だから彼らの高校では確実に、

「年齢不詳で髪の毛ボサボサのヤバいおっさんが住んでる怪しいマンション」

として噂になってるでしょう。(笑)

もしかしたら、そのヤバいおっさん見たさにわざわざタバコを吸いに来てるのかもしれません。

 

いやいや、今日はそんな話をしようとしてたわけじゃありません。

とにかく、僕の家のベランダはそんな裏庭に面しているんですが、

そうは言っても、夜になればやはり表通りから外れてることもあり、さらに街灯もなく真っ暗なので、普段そこに人が入ってくるようなことはまずないんです。

と、

そこまでを分かってもらった上で、では、つい1週間ほど前の話です。

ここからはわたくし、稲川淳二がお送りします。(ちょっとダミ声で)

 

 

 

えー、それはー、ある暑い夏の夜のお話。

だいたい深夜3時ごろのことでしたー。

わたくし、部屋で一人テレビの深夜放送などを見ておりました。

画面はどこか他の国のちょっといやらしい映画の一場面。

あー、エロいなー、エロいなー。

いいなー、いいなー。

などと、ほくそ笑んでたその時、

 

ドン。

 

…。

それはほんの小さな物音だったんですが、ベランダの方で何か少し人の気配がしたような…。

あー、怖いなー、怖いなー。

いやだなー、いやだなー。

こんな時間に人が入ってくるわけないのになー、怖いなー、怖いなー。

もしかしたら猫かなー。

そうだったらいいんだけどなー。

けど猫だったらもっと音が続くよなー。

あー、怖いなー、怖いなー。

 

わたくし、あまり気にしないように、もう一度テレビの方に視線を戻します。

あー、やっぱりこっちはエロいなー、いいなあ、いいなー。

 

しかしエロいシーンが終わり少し経ちますと、やはりどうしてもベランダの方が気になるわけです。

そこでわたくし、テレビの音量を下げ、そっと聞き耳を立てます。

あれからもう物音は一切しないんですが、

何だか妙に気になるんです。

気配といいましょうか、それとも第六感とでもいいましょうか…。

そこで人がじっと身をひそめているような…。

 

そこでわたくし、覚悟を決めて、ベランダの方に向かいます。

1歩、2歩…。

ゆっくーり、ゆっくーりと、息をひそめて…。

ベランダへ出るガラス戸に到着。

まず、ゆっくりとカーテンを開けます…。

そして、鍵を開け、ガラス戸もそっと開けていきます…。

あー、怖いなー、怖いなー。

誰かいたらいやだなー。

ギギギギ…。

ガラス戸が開き、恐る恐るベランダに出ます…。

 

しーーーん。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・。

 

ふう…。

真っ暗で見えにくいですが、どうやら裏庭には誰もいないようです。

ああよかった、気のせいか…。

そう思い、念のため最後にベランダの柵のあちら側を覗き込んだその時…、

 

 

ぎゃああああーーーーーーー!!!!

 

 

 

な、なんと、

ひ、人がベランダの柵に隠れるようにしゃがみこんでいたんです!!

ひぃーーーー!!!

 

(ああ、もう怖すぎて、稲川淳二もどーでもいいわ。
文体をいつもの感じに戻します。笑)

 

とにかくそれがどれだけ怖かったことか…。

こんな時間のこんな場所にまさか人が隠れていようとは…。

 

僕は驚きで体をのけぞらしながらも、もう一度よく目をこらす。

やはり暗くてハッキリとは見えないが、どうやら髪の毛の長い女性のようだ。

女性はしゃがみながらこちらを見上げている。

 


「な、何してんすか、こんなとこで!」

 

女性
「え、えーっと、ちょっと気分が悪くて、ここで休ませてもらってました。

すぐに行くので気にしないでください。」

 

声から察するに、中年の女性だろうか…。

 

「気にしないでくださいって言われても、一応ここ僕の家なんで…。(苦笑)

っていうか、

なんか分かりませんけど、大丈夫なんですか?

気分悪いんやったら、救急車でも呼びましょか?」

 

「いえ、大丈夫です。

ほんと、ちょっと休んだらすぐに行きますんで。」

 

「うーん…。

じゃあ悪いですけど、少ししたら他のところで休まれてくださいね。」

 

 

 

5分後。

部屋に戻った僕は、正直もうテレビどころではなくなっていた。

とにかくあの女性の存在が気になって気になって仕方ないのである。

だって、いくら休んでるだけとはいえ、こんな時間にすぐそこで人がうずくまってると思ったら不気味すぎるじゃないか…。

ただ、

さっきからまた物音はしなくなってる。
(それがまた逆に怖いんだけど…。苦笑)

やっぱり、約束通りもうどこかに行ってくれたんだろうか。

 

 

10分後。

僕は我慢できなくなって、もう一度外の様子を見に行くことにした。

ただ今度は、冷蔵庫から500mℓのペットボトルのお茶を持っていくことにした。

さすがにもういないとは思うけど、万が一まだいるんだとしたら、

こんな時間にそこまで気分が悪いっていうのは、もしかしてお酒を飲みすぎたんじゃないかと思ったからだ。

けどそれは、決して相手をいたわってとかの気持ちじゃなく、ただ単に、

これ飲んで早くどこかに行ってくれ

という気持ち。

 

とにかく僕はそのお茶を持ってベランダに出た。

 

 

しーーん。

 

相変わらず外は静まり返っている。

柵の向こうを覗き見る。

 

うわ!

いた!まだいた!!

 

そこには、

あの女性がさっきの状態のまままだしゃがみこんでいたのだ…。

 

 

「あのー、そんなに具合悪いんやったら、ほんまに救急車呼びますよ。」

 

「いや、大丈夫です。

ほんとにすぐ行きますから。」

 

「お酒でも飲みはったんですか?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「えっと、もしあれやったら、冷たいお茶ありますんで、これ飲んで少し休んだら、

申し訳ないですけどここから早く出て行ってもらえますかねえ。」

 

「ありがとうございます。

はい、すぐ出て行きますんで。」

 

 

僕はもう一度部屋に戻った。

ふう…。

さすがにこれであの女性もどこかに行ってくれるだろう。

言い方は悪いかもしれないが、後は僕の知ったこっちゃない。

そう思うと、僕はなんだか一仕事終えたような気分になって、ようやく少し落ち着くことができた。

 

 

それから15分ぐらい経っただろうか、

その頃になるとやっと僕も女性のことは忘れて、今度はネットサーフィンに夢中になっていた。

あー、やっぱりネットもエロいなー、いいなあ、いいなー。

(↑これはウソですよ。汗)

そんな時である。

 

コンコン。

 

!?

 

突然、音がしたのである。

ベランダの方からガラス戸を叩く音が。

  

僕は腰が抜けそうになった。

もちろん、まだ女性がいたのかということにも驚いたのだが、

それよりなにより、

ガラス戸を直接叩いてるということは、あの女性が柵を乗り越えてベランダに入ってきたのではないかと思ったのだ!

 

もー、何、何?ウソやろ?ちょっとー、怖いって。

 

僕は恐る恐るガラス戸に近づいていき、そっとカーテンを開ける。

うちのガラス戸はすりガラスになっているのだが、特にそこに人影は見えない。

 

え、何?どういうこと?

 

そして次にガラス戸を開けようと手をかけたその瞬間、

 

コンコン。

 

わ!

今度は目の前でガラス戸が鳴った。

よく見ると、黒い点のようなものがすりガラスを叩いている。

 

もー!何?

 

僕は勢いよく扉を開ける。

すると目の前には、立ち上がってベランダの向こうから傘の先っぽでガラス戸を叩こうとしているさっきの女性がいた。

思わぬ形で傘の先っぽと対峙することなった僕。

ちょっとイラっとしてきた。

 

「は?もうなんですの!?何の用なんっすか?

っちゅうか、傘でウチのガラス叩かんでもらえますか。」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

女性はただ黙って、どういうわけかちょっとニヤついている。

立ち上がったことで、ようやくこの女性の顔がよく見えるようになったのだ。

やっぱり40代中ごろぐらいだろうか、少しやつれた細身の顔で、チリチリの長い髪、暗さも相まってほんと幽霊みたいな印象である。

 

「で、なんでまだいてはるんですか?

すぐ出て行くって言うたやないですか。

お茶飲んで少しでも元気になったんなら早く他のとこに行ってくださいよ。」

 

すると、

そんなイラ立つ僕をよそに、女性の口から驚きの言葉が…。

 

 

「…ふふふふ。

部屋に入れてよ。

泊まらせてよ。」

 

 

 

・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・。

 

…はぁ??????

 

 

僕はあまりにも意味不明な発言に、

驚きすぎて、一瞬言葉を失った。

女性の方はますますニヤニヤし、部屋の中を覗こうとまでしている。

 

「ねえ、だからそこに入れてよ。

泊めてよ。分かるでしょ?ふふふ。」

 

「…ちょ、ちょい、ちょい待った。

おたく、ほんま、何わけわからんこと言ってますのん?」

 

「だから、部屋に入れてって言ってるの。」

 

「…は?ええ加減にしなさいや。

なんでアンタ入れなあきませんの?」

 

「だって、優しくしたでしょ。

じゃあ、なんで優しくするのよ。」

 

 

…はぁ??????(パート2)

 

 

「優しくって…。

そんなつもりでお茶あげたわけないでしょ!!

どんな勘違い女やねん。

ただこんな家の前におられたら気味悪いし、

早くどっか行ってほしかっただけですやん!」

 

「もう。

いいから、早く入れてよ。ふふ。」

 

何が「もう。ふふ。」じゃ。(苦笑)

あかん。

ラチがあかん…。

 

「おい、しまいに怒りまっせ。

早くどっか行けって言うてますねん。

それ以上ここでわけわからんこと言っとったら、警察呼びますよ。」

 

傘女はそれでもただニヤニヤしている…。

 

「おい!聞いてんのか!オバハン!

勘違いすんなっつってんねん!気持ち悪いねん!

次見に来てまだおったら、ほんまに警察呼ぶからな!」

 

 

僕はそのままガラス戸をピシャリと閉め、部屋に戻った。

 

・・・・・・・。

ああ、怖い。

というか、

もう怖いやら、わけが分からんやら、気持ち悪いやら、腹が立つやらで、頭の中がぐちゃぐちゃだ。

なんなんだ。

ほんと、なんなんだ、あのオバハンは。

気分悪かったんちゃうんかい。

それなのに、あの豹変ぶりはなんだ。

どうやったらあそこまでの勘違いができるんだ?

意味が分からん。

ああ、怖い。

ほんとに怖い。

お化けより怖い。

 

 

それからしばらく僕は、ずっと傘女の恐怖に打ち震えていた。

さすがにもう何も手につかない。

けど、

ここにきてさえまだ、僕は彼女のポテンシャルを見くびっていたのかもしれない。

 

だって、

それから数分後に、またガラス戸が傘の先っぽで叩かれることになるのだから…。

 

 

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

イヤーーーーー!!!!!(号泣)

 

 

 

 

 

 

 

さて、

この後僕は暴走機関車のようにベランダに飛び出し、

「分かったから、早く入れてよ。」

とまたしても懲りずにニヤつく傘女に向かって

「コラ!キ○ガイばばあ!!お前そこで待っとけ、今からマジで警察呼んだるからゲボっ$%&☆@#♪★!!」

などと、大声で携帯でそのまま警察にかけるフリをし、

それを見た妖怪傘女は、

ニヤつきながらもようやくその場から立ち去っていったとさ。

 

めでたし、めでたし。(どこが?)

おー、怖っheart01

 

 

以上、

そんな、ある夏の夜の素敵な出会いのお話でした☆

 

 

P.S.

真面目な話、もしマンションの1階に住まれてる方がいらっしゃったら、特に夏場はほんとに気をつけてくださいね。

世の中、どんな人がいるか分かりませんから。

いや、マジで。(苦笑)

 

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2009年8月30日 (日)

夏の終わり

この1週間、とっても調子が悪い。

体が全く動かなかったり、頭が全く動かなかったり、1日中眠り続けてしまったり、深い憂鬱の底に沈みこんでしまったり…、

とにかく何にも出来ないでいる。

 

ひよこ先生は、

それでも大きな意味で言えば、今僕は回復期にいるんだと言う。

正直僕にはよく分からなくなってきた。

今はただ時間が経つのが恐い。

僕はこのまま歳をとっていってしまうんだろうか。

 

昨日も、

先生の勧めで少しでも日の光を浴びるために近所に散歩に出かけたんだけど、

突然自分が消えて無くなってしまうような虚無感に襲われて、道で座り込んでしまった。

 

こんなふうに、

何にもしないうちに

大好きな夏が終わろうとしている。

僕は恐い。

お願いだ。

誰か僕を強く抱きしめてくれないか。

 

 

 

(え?いやじゃボケ?

うん。その気持ちもよく分かる。笑)

 

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