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2006年7月19日 (水)

極私的弾き語り論

長いですけど、ちょいとおつきあいを。

まず、何が目的で弾き語りをやっているのかというと、何かを訴えたいだとか、自分を表現したいとかじゃなくて、ほぼ100%「お金」である。

もちろん音楽は大好きだが、それと弾き語りは全く関係がない。

やらしい意味じゃなく、今現時点で僕が出来うる仕事の中で、一番自由が効き、一番お金を儲けることが出来るのがこの「弾き語り」だったのだ。

それくらい僕の弾き語りは結構な額になる。

具体的に言ってしまうと、平日で2万~3万ぐらい。金曜日で3万~4万ぐらい。

なんだそれくらいざますかと思われるセレブな方もいらっしゃるかもしれないが、一般レベルからすると、やはり結構な額だ。
この額は10年間ほぼ変わっていない。

1週間のうちに、土日は飲み屋街がほぼ閉まってるので、月から金までの5日のうちだいたい3,4日(5日連続だと喉がもたないし、雨が降ることもあるから)、夜の9時すぎから夜中の3時前ぐらいまで歌っている。

だから月収にするとだいたい30~40万すぎぐらいだ。(梅雨の時期はやはりこれより少なくなるし、年末は逆にもっともっと多くなるが)

とにかく、大人一人が暮らしていくには十分な額になるわけだ。

 

しかし、昨日も言ったが、決して誰でも簡単に儲かるというわけではない。

実際、日本の中で、路上の弾き語りのみで生計をたてている人はほんとにほぼいないと思う。

これは自慢でも何でもなくて、僕は仕事として弾き語りを選んだ以上、徹底的にどうすれば儲かるのかを考え抜いてきたのだ。

そこに明日の生活がかかっているから。

 

その結果、僕の弾き語りはアンプやマイクを使うスタイルになった。

今でこそ、そこらじゅうでアンプやマイクを使うストリートミュージシャンをいっぱい見かけるが、当時はほとんどいなかったのだ。

さらに、オリジナル曲や、最新の流行曲は歌わない。極力昔のフォークソングや歌謡曲だけを歌う。と決めた。

それらは全部、歌を聴くおじさん側に重点をおいた結果だった。

音の面で言うと、歌(特にフォークソング)というのは、たいていが強弱が必要なものである。

生声であれば、雑踏の中でやる場合、声が埋もれてしまい、すべてのパートを張り上げて歌わなければならない。
しかしそれでは喉がもたないし、おじさんも気持ちよく歌にひたれない。

だから僕は、おじさん達がいかに気持ちよく歌を聴けるか、いかに歌にひたれるか、そして、いかにお金を出そうと思うかを考え抜き、アンプを使うことを決め、自分なりにエフェクター(音色を変える機械)を工夫し、機材を工夫し、こういうスタイルを確立したのである。

もちろん、ある程度は周りの店や人にも気を使い、悪影響が出ないようにちゃんと音量を考えてやっているし、もしそれでも迷惑がかかり苦情がきてしまった場合は、すぐに立ち退いている。

それが路上で歌う以上、最低限のマナーだとちゃんと分かっている。

とにかく、僕の弾き語りには、アンプやマイクが不可欠なのだ。

 

そして、お金をたくさん儲けるにはそれだけでは足りないということで、入念な場所選びから始まり、こちらから通る人に声をかけ、聴いてくれる人とはちゃんと対話をし、「リクエスト表」というものを作り、その選曲にもこだわったのである。

声のかけ方としては、まず、

「一曲どうですかっ!」

という決まり文句を言う。

この声かけの時は、ほんとに自分のプライドを全部捨てる。
ほとんど営業だ。

あちらが少し興味をもちはじめたら、そこでさらにたたみかける。

「せっかくなんで、なんかお好きな歌がありましたら、「リクエスト表」っていうのもあるんで、一曲だけでも聴いていってください。昔のフォークソングとかを主に歌ってます。」

これもほとんど決まり文句である。

この「せっかく」っていうのがポイントだ。

何がせっかくかはよく考えたら分からないが、とりあえず「せっかく」と言われたら、人は「ああ、そうやな」という錯覚をおこすのだ。

何とこしゃくな作戦。(笑)

 

もちろん、声をかける相手も入念に選ぶ。

大勢の人の中から、通り過ぎる瞬間にその人の身なりや顔つきを見て、瞬時にこの人はお金を入れてくれるか否かを判断するのだ。

もうなんだか、歌とは全く関係の無い世界でしょ。

けど、何度も言うように、やはり歌はある一定以上は上手くないといけないんでっせ。
もちろんギターも。

そして僕の場合はさらに、歌う時に目線まで計算して、情感たっぷりに歌うように心がけている。

 

あー、めっちゃ長くなってしまったなあ。
けど、まだまだ言いたいことあんねんなあ。
まだ続けてもいい?
だめ?

次に続く…。

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